【保育士編】事例4:クラス全体が落ち着きません。どのようにしたら子どもたちが落ち着くのでしょうか。
今回の事例は3歳児15名のクラスで2期(7月頃)を迎えた頃の相談です。散歩前や給食前、遊びの前など活動の合間だけでなく、それぞれの活動自体も子どもが先生の話を聞く事なく、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ…。でも、子どもたちの笑顔は最高だったりする…。怪我をしそうで担任の心は落ち着かず、時にはクラス運営が怖いと感じるようです。
◆クラスが落ち着かないとは?どんな状況?
保育園では1年間を4期に分け、子どもたちの成長発達を見ていきます。保育園では、子どもたちが大きな声で走り回ったり、保育士の話を聞かず、後ろを向いてお喋りをする、周りの子にちょっかいを出し続けるなど、簡単に言えば先生の話を聞いていない状況の時に保育士は「クラスが落ち着かない。」と嘆く姿をよく見かけます。
◆保育士の気持ち
このような状況になった際は、冷静に確認してみることが必要です。
「そもそも、クラスが落ち着いている状況とはどんな状況?」
「子どもは落ち着いていないといけないの?」と。
保育士の気持ちはこのような状況です。
「クラスが落ち着いていないとケガや事故が起こりやすくなります。」
「主活動への切り替わりが上手くできず、活動(計画)が進みません。」
「せっかく教えたこともクラスが落ち着かないことによって振り出しに戻ってしまいます。また1から教えなくてはならないです。」
「何度注意しても、自由に走り回ったり大声出したり好き放題です。」
等々…。
◆課題分離を行う
クラスが落ち着いていないのは、保育士の保育に対する焦りや保育をきちんとやらなくてはというプレッシャーが起因していることが多くみられます。
今回の事例は3歳児クラスです。
このような状況の時は、どうしてこのような状況なのかを一つひとつ課題を整理していきましょう。
~例~
【子どもの側面】
・指導計画の内容が子どもの身体的及び精神的(情緒面)の成長発達にあっているか
・保育の環境設定は現状と短期的な期間を見通した内容になっているか
・子どもの家庭環境において大きな変化があった子どもはいるか(第2子妊娠、離婚、不適切な家庭保育等)対応が適切にできているか
【保育士側の側面】
・3歳児の成長発達(平均値)を理解したうえで、担当クラスの子ども一人ひとりの成長発達が理解できているか
・クラス運営中、子どもの感情に寄り添い、明るく共感しつつもプロ(保育士)として冷静さを保てているか
・クラス担任同士の情報共有を図り、連携を取ることができているか
・保育園内の職員同士の人間関係で悩んでいることはないか
・プライベートで悩んでいることが保育に影響していることはないか
◆課題を紐解いていく
上記の課題はクラス運営に関わる保育士で解決に向けて改善していく内容と、保育士自身が改善していく内容があります。
【クラス運営】に関わる保育士たちで解決していく内容には、クラス会議や職員会議を利用して建設的なコミュニケーションを行い、改善策を見出す必要があります。
【保育士自身】が改善していく内容には、必要に応じて主任や園長に相談したり、プライベートであれば先ずは、仕事とプライベートを切り離して物事を考える必要があります。
いかなる課題であっても解決に必要な事は、
・「主役は子どもであることを忘れない。」
・「保育はチームで行っていることを忘れない。」
※ここで言うチームとは保育士だけでなく、保護者も子どもを育てる上で3歳児クラスの保護者という立場のチームメンバーなのです。
・「保育(専門分野)について常に自己研鑽を行うこと。」
・「保育士自身も常に人間性を豊かに育む努力を惜しまないこと。」
これらは最低限プロとして意識しておきましょう。
◆まとめ
はぁ。。。
こんなの分かってるけど、大変だよー--と、いう気持ち分かります。
十分わかります。
かく言う私自身も何度もクラス運営が上手くいかない、同僚に指示が出せない、子どもの活動がひっちゃかめっちゃかになったことが何度もあります。
落ち込みました。何度も落ち込んでも子どもたちに本気で保育をチャレンジしました。
保育士のチャレンジは、子どもに必ず届きます!!
最高の笑顔が返ってきます☆
諦めないで!!
そして、「子どもは落ち着いていない時の方が多いです。」
想像してみてください。
散歩に出かける前に、15人の子どもたちが黙々と靴下を履き、トイレに兵隊さんのように向かい、真っ直ぐ帽子を被り玄関で「いってきます。」と落ち着いた声で言っている姿…。
自由遊び中に「アハハ!」「ちょっとおもちゃ貸してよ!!」「まて~!」
「あそーぼー。」と言えば「いいよー。」など、子ども同士の関わり合いの中でよくみられるシーンも、声のトーンは単調だったり妙に静かに笑ったり、小走りがスローモーションのように歩いていたり…。
少し大袈裟かもしれませんが、これはもうカオスな世界です(;'∀')
こわい、こわい。
落ち着きがなくてもいいんです。だってまだ義務教育すら始まっていない子どもたちだから☆
日々活動の中で、「動」と「静」のメリハリをつけていると思います。
危険な時ややってはいけないことが発生した時は、子どもたちに丁寧に向き合うことを継続していけば、おのずと子ども自身が「落ち着き」を体得していきます。
そして、保育士の温かいまなざしと優しい関わりが、子どもが落ち着くことを体得していく早道です☆
保育士の皆さん、頑張ってください!応援しています!!
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