「じんましん」と「湿疹」の違い
ご飯を食べた後に、あるいは入浴後に「赤いぶつぶつが出ました。何かのアレルギーですか?」
こういうお子さん、よく受診されます。まずは、その「赤いぶつぶつ」が、「じんましん」なのか、「湿疹」なのか、その区別がアレルギーかどうかの判断には非常に重要となりますので、その見分け方のコツについて書いてみます。
じんましんと湿疹の違い
じんましんは、突然かゆみを伴い、皮膚の一部が赤く腫れて盛り上がります。一個一個の蕁麻疹は、数時間、長くても1日以内には、跡を残さずに消えます。つまり、一個一個のぽつぽつ自体がすぐ消えるような(移動するように見える)少し盛り上がった発疹は、まずじんましんです。じんましんは場所を変えながら何日も続くことがあります。
湿疹は、数時間で消えることは少なく、「数日」単位で続きます。じんましんと紛らわしい「虫刺され」は数日消えません。もちろん、ひどい湿疹は「週」単位、治療しなければ「月」単位で出続けることもあります。一個一個の発疹の「場所は変わりません」。体温や血液循環の関係で、赤みが強く見えたり、弱く見えたりはしますが、場所は変わりません。また、湿疹は皮ふの表面の問題ですので、じんましんと違い、ざらざらしていることが多いです(じんましんはざらざらしていないことが多いです)
同様に、「お風呂に入ると赤いぶつぶつが出る」というご相談もよくあるのですが、親御さんに毎日その発疹の場所を観察していてもらうと(時間の経過を追った写真での比較がわかりやすい)、入浴後に赤みは強くなるものの、「発疹の場所自体は全く同じ」という場合については、体が温まって「湿疹が濃く見えただけ」、ということになります。「画像を時間経過で記録」しておくと、わかりやすくなるかと思われます。
観察してみて、「毎回発疹の場所が異なる」場合は、じんましんの可能性が高く、毎日のように出る、頻繁に出る、特に原因も思い当たらないという場合には、その多くのお子さんは「特発性じんましん」、「じんましん体質」と考えられた方が良いでしょう。
(参考)原因不明のじんましん(特発性じんましん)↓
食物アレルギーの症状としてのじんましん
食物アレルギーとしてのじんましんの多くは、「食べて1-2時間以内」(乳児だと3-4時間以内程度)に出現します。そのじんましんは1日以上続くことは基本的にはありません。例えば、「食べて12時間後のじんましん」、「食べて少しして出たけどその後3日間続くじんましん」みたいなものは、食物が原因によるじんましんという可能性は低くなります。
*特殊な遅発型の食物アレルギーで稀に数時間後にじんましんが出るものもありますが、一般的には上記のような症状となります。
また、その時食べた食材については、過去に普通に食べれていたもので、過去に食べれた量より少なければ、食物アレルギーの可能性はより低くなります。
「食べてすぐのじんましん」は、食物アレルギーの可能性を強く疑いますので、それ以上の量を食べると、より強い症状が出る危険があるので、要注意です。
食物アレルギーは食べたタンパク質にて起こります。アレルギーのお子さんでは、許容量を超えるとアレルギー症状が出ます。少量は大丈夫でも、多くなると症状が出ることがあります。
(参考)食物アレルギーの基本!どうして子供に多いの? 予防するにはどうしたら良いの?↓
また、いつも食べられる量を食べた時に、口の周りが赤くなったとしても、その食材を食物アレルギーとしてすぐに除去する必要はありません。
ただ、その後も少しずつ増やしながら、食べられるかどうかの確認が必要です。
(参考)食物アレルギー?食べたら口の周りが赤くなった!↓
これらを参考にして、ご心配であれば、ぜひ受診してご相談ください。
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