映画館でボロ泣きしたいときってありません?

昨日、久々に映画館に行きました。

21時近い時間から始まる、レイトショー。ひとりで。

去年から楽しみにしていた映画『糸』を観に行きました。


そりゃもう楽しみで仕方がなくて、映画の公開が待ちきれなくて、

邦画では珍しく事前に小説を買い、内容をさらっておりました。


ついにこの時が来た!と

胸躍らせて映画館に行く私は、

『糸』を観たら、きっとボロ泣きするだろう

と予想していました。

「あぁ、これから泣くってのにハンカチ忘れちゃったな」と思ったのです。

あの真っ暗闇のなかで、美しい映像と音響に圧倒されながら、

隣の席の人にばれないように静かに、だらだらと涙を流す。

なぜだか分からないですが、

昨日は映画館で泣きたかったみたいなんですよ。


ただ、残念なことに、私が涙を流すことはありませんでした。

胸が詰まったシーンはいくつかあったけれど。

涙は流れていない。


映画館を出るころには、もう23時をまわっていました。

本来なら眠い時間だし、深夜テンションでちょっとくらい涙腺が故障してもおかしくない時間帯です。

しかし、私は恐ろしく冷静でした。

恐ろしく真剣に、映画の感想をただひとり、頭に浮かべておりました。

ついでに自分が泣けなかった理由も分析していました。

なぜ、自分が映画館で泣きたかったのかも考えました。


家に帰って、先ほどまで考えていたことを忘れないようにと

紙に書いている最中に、寝てしまいました。

疲れたんですかね。

睡眠の質はここ最近でいちばん良かった。


さて、「泣きたいのに泣けなかった」という私の勝手な欲求不満が

危うくそのまま映画自体への評価に繋がってしまいそうなところでしたが、おそらくそれは正しくありません。

いい意味で裏切られた、といったところでしょうか。

実はまだ感想がまとまっていないのです。

考えるべきことが多すぎて、あたまがショートしそうなのです。

もうちょっと思考を熟成させたい。


めいっぱい考えさせられるという映画体験ができた事実。

これは、なんとなく、「いいことなのではないか」と、私は思います。


映画『糸』、まだまだ放っておけない存在です。






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