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「100年くらい前の本づくり」展こぼれ話2:本体と表紙
切断された支持体 洋式製本は複数の折丁を綴じ糸で縫い合わせていくが、その際に綴じ糸を支えるために丈夫な革・布・麻などの支持体を用いる。支持体にはもう一つの役割があって、支持体の両端を表紙の芯と接続することで、本体と表紙をつなぐのである。
本体と表紙のつなぎ方には大きく分けて二つある。一つは伝統的な「綴じ付け製本」で、支持体を表紙の芯に直接結び付けて表紙と本体を一体化した上で、表装材で表紙をくる
「100年くらい前の本づくり」展こぼれ話1:印刷時期と製本時期
3月10日より、市谷の杜 本と活字館で「100年くらい前の本づくり」展が始まった。縁あって監修という大役を務めることになったのだが、実のところこれは、製本や紙についてのベテランの先生方の知見と、博物館の展示チームの行き届いた企画に頼って少しだけお手伝いをしたということである。
特に、製本と修復の専門家、岡本幸治氏による『改正西国立志編』『仏蘭西法律書』の解体調査に立ち会えたことは大きかった。