ラダック④ ゴンパ巡り編
早朝、ツーリストインフォメーションの前に集合して、いざゴンパ巡りへ出発。
タクシーのおじさんは寡黙な人で、冗談ひとつ言わず黙々と運転をしてくれるインドでは珍しいタイプの人だった。インドでタクシーやリキシャに乗ると、必ずハイテンションな雑談と付き合うことになるから、こういう人は、後にも先にもこの人を含めて3人ぐらい。
この日のスケジュールとかも何も打ち合わせなしで、いきなり走り始める。
どうやら、最初はChimrayらしい。今日廻るゴンパ群はレーの東側で上ラダックと呼ばれるエリア。
インダス川の上流に位置するので、車窓から見える川の水がとてもきれいだった。
Chimrayは、ぐんぐん岩山を登った上の方にある。下から見た景観もダイナミックでこれぞゴンパという感じで、テンションが上がる。
ちなみにゴンパ(Gompa)というのは、チベット仏教の寺の呼称です。
ゴンパの造りは、そこそこでそれぞれ異なるけれど、ほぼ、本堂が中心にあり、ちょっと下の方にチョルテンというまだ仏教が伝わっていない頃に、仏像の代わりに祭られていた建物が点在し、大きいゴンパになると修行している僧房がさらにまわりを囲む。その全体を眺めると、古城のようであったり、要塞のように見えることもある。
Chimrayは、ゴンパも歴史があって風格を持ち、要塞のように思える感じだった。中に入ると、数人の若い僧がいた。ゴンパ自体の入場料はお布施なんだけど、博物館で50rsを取られる。なかに納められている仏像は仏絵は大きさこそ小さいけれど、味わい深くて見応えがある。
次はHemis。Hemisはラダック最大のゴンパで、ゴンパ内にレストランまで併設されている。
たくさんの観光客が訪れるからか、着いた時はちょっと観光地のような俗っぽさを感じた。
しかし、中をじっくり歩いてみると、井戸が掘られていたり、小さい水路があり生活に要する水がゴンパ内を流れていくシステムになっている。
まるで、ちょっとした集落のよう。規模が大きくて、何がどうなっているかを把握するまでにすごく時間がかかる。大きい博物館が併設されていて、ここにはゆっくり見ると2、3時間はかかるであろうほどの膨大な収容量で、歴史的価値も高いものが多い。
あるラマと話したところ、修行しているラマは300人ぐらいとのこと。インド人はみんな適当なことをいうところがあるので、確実な数かどうかは分からない。
しかし、裏の山手には数えきれない僧房があり、300人と言われても納得な気がした。
とある10代後半と思われるラマが、ゴンパの外の方で何やら洗い物をしていたので、近づいて話しかけてみた。
そのラマもこの僧房に住んでいるということなので、中を見せてもらうことに。
入ったところ、いやいや、びっくりしました。何とも奇麗で...。お風呂にバスタブが付いていたり、キッチンもすごく奇麗。2人で3部屋(キッチン、ベッドルーム、バスルーム)を一緒に使用しているらしい。わたしのゲストハウスよりもいい設備だし、きれい...じゃん。
あまりにわたしが『きれいだねぇ~』を連発するもんで、『お客さんも僧房に泊まれるよ』とか言われてしまいましたが、この僻地に泊まっても動きづらいし...。次回、瞑想でもしに来ます。と言って僧房を後にした。ほとんどのラマは幼少期にゴンパに入り、ほとんどの時間をゴンパ内で過ごすことになる。このラマも5歳位からここに居るとのことだった。ここは、近い将来、大きいラマの学校が建設予定らしく、今現在もその学校の工事は進められているようだった。
みなさん、ヘミスは大きくてあまり感慨深くないようだったけど、わたしは意外と良かった。
ここが集落のように生活の場と化している様子がとても気に入ったので。
わたしたちもここらで昼食を。
地元の食堂で初のターリーを頂く。辛いけどうまい!
断らないと、永遠にカレーやチャパティーを追加されてしまう...気がついたら注がれていることもよくある。インドでは断ることがとっても大事。自己主張はきちんと行いましょう。
次はTikse。ここは、すごくモダンなゴンパ。
歴史的価値うんぬんよりも、ゴンパ内の鮮やかな色使いや建築方法がとてもうまいというか、一言で言うと”かわいい”のです。『かわいいよね~ここ!』ってすごく発言していた気がする。
Tikseは、そのモダンな建築がすばらしいだけではなく、中に収容されている仏像もすごく興味深い。
ちょっと変わったものもあった。男の人の性器がものすごくフューチャーされていて、そこにいろんな布を巻き付けて、とんでもない状態で...
言葉では表せない迫力とインパクト。必見です!
屋上には、とても歴史のある古い仏像がたくさん収容されています。入っていいのかは分からないけど、私は入らせてもらいました。これは本当にすばらしかった。チベットの仏像は基本的に大日如来の系列なので、装飾品がとても多くて、きらびやかです。ひとつひとつのアクセサリーのディティールを見たりしていると、美術的な見地からもすごく価値があるのではないかと思ってしまいます。
最後にShey。ここに着いた頃には、すでに17時を過ぎていて本堂も閉まる直前。
ここは、ラピュタの世界のような雰囲気があって、今日行ったゴンパの中では一番気に入った場所。
ギリギリセーフで夕方のお行に間に合う。ここは、壁画の残り方が素晴らしいところらしい。
お堂の中は暗くて、その細かさが分かりにくかったけれど、確かにいい壁画が残っていた。
とにかく、建物はすでに閉まってしまっているので、周りをグルグル歩いていたら、すごく気持ちのよい場所に出る。ちょっと怖かったけれど、岸壁まで行ってタルチョ(チベットを象徴するカラフルな旗)とチョルテンの混じり合ったいい風景を見ることができた。
帰る頃には、体調があまり良くなく、おそらく高山病とターリーの食べ過ぎによる胃もたれが併発していて、ぐったりだった。
ゴンパも常に高い場所にあるし、結構階段やら坂やらを登ってしまっていたんだろう。
夜、バザールに出ると、露天で串焼きのお肉を焼いている人を発見。
肉あるじゃない~~!と聞いてみると、羊肉らしい。
早速、1本食べてみたら、すごく美味しい!!
肉不足もこれで解消される~と一安心でした。
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