メラニンが止まらない
私の体はほくろが多い。
特に鼻周りは大家族状態で、ほくろがここぞとばかりに。大集合している。
ちなみに、平面な子がいたり、立体的な子がいたりする。色素が濃い子もいれば、薄い子も。
私は薄情な人間ですので、ニ度ほど大家族を崩壊させた経験がある。
美容皮膚科に赴き、炭酸ガスレーザーとやらで、ほくろを取り除くのだ。(ちなみに局所麻酔をするのだが、それがもうハチャメチャに痛い。より正確に言えば、麻酔を打つ注射針がバチクソに痛い。あれなんであんなに痛い?)
そのようにして、二人ほどの家族の存在を消すことに成功した。あたかも最初からいなかったことにした。
喜んでいたのも束の間、奴らは再発というガッツが残っており、蘇ってくる。私は驚いた。
しかし、勿論、ほくろが存在するのは私の顔面であって。顔面の所有者は私ただ一人。再発ガッツだって、生かすか殺すかはこちらに主導権がある。
なので、迷わず、私は泣きながら局所麻酔に耐え、次こそは完全に。跡形もないよう、ほくろを乗り除いてもらった。
次こそ、完全に私の勝利である。私は私の覇権を握れたのだ。
ちなみに、体にある全てのほくろを憎んでいるわけではない。一応、気に入ってるほくろも、少なからずはある。
一旦ここで冒頭に戻る。私はまだまだ、ほくろは多い。
前回完封勝利したほくろ以外にも、しっかりと根を張ったほくろがいくつもある。なんなら、現在進行形で未だに増えている。
朝起きて鏡を見るたび、黒い丸が増えているんじゃあないかと。本気で思ったりもする。
遺伝的にほくろが多いことは、幼少期から自覚はしていた。だが、まさか大人になってもメラニンが止まらないとは。夢にも思わなかった。
一つ取っても、また増え。二つ取っても、また増え。キリがない。
この体質が遺伝とはいえ、どうにか抗うことは出来ないのかと。過去に調べてみたことはあったが、結局は日焼けに気をつけろだの、ホルモンバランスが乱れてるだの。そんな初歩的なことしか見つけ出せない。
つまり、やはり、もうこれは遺伝で。どうにもならないんだと思う。
だから私はやってやる。紫外線が弱くなってくる10月あたりに。
またもや、大家族を崩壊させてやる。何度だって。崩壊させてやるんだ。
なぜなら、私の顔面だから。
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