うたとえ2022『露草ハウス』及川恒平

うたとえ2022『露草ハウス』及川恒平

曲・歌・編曲 / 及川恒平 演奏・歌 / ペーパーランド
 本田修二(歌・ギター・ウクレレ) 幸田実(ベース)
 Gavilinker(歌) 

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「露草ハウス」詩 / 有働薫


赤まんま(麗子五歳の像の指先に)
水引、どくだみ、いわし雲
酷暑のなごり

菫、露草。山ごぼう
敗戦の翌春 肺炎をおこして
日系二世K氏の舟型軍帽
浅黒の細おもての真白な歯並び
パジャマのまま玄関に出て

ふたたび菫、露草、やまごぼう
《月は窓から銀の光を》〜ソットヴォーチェで

母の死の日 東の空に虹がかかった
不意に枯れた楓の若木

あかざ、ひるがお、かきどおし、かたばみ、おおばこ
藜(あかざ)、ひるがお、かきどおし、酢漿(かたばみ) 事前草(おおばこ)

記憶はやがて物語に変る
囀りながら天頂へかけのぼる
ウォルフガングス 走る狼
疲れた足でたどりつく
穏やかな休息への軽い杖が欲しくて

月草 蛍草 

夕闇のドアを押す
露草ハウス

赤まんま 水引 蚊帳吊り草 猫じゃらし
灰色の小さな蝶が乱れ舞う露草の薮

(以上、有働薫さんの原詩です。本来は縦書きです。)

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有働薫さんの「露草ハウス」の中の詩集の題名となった詩です。
この方の日常に、境地というべきものの変化があり、
それが私にもわかるような気がして、
今回、歌にさせていただきました。

私の音楽にそなえられているらしい気楽さを、
詩のそばに寄り添わせていただきました。
迷惑かどうかは、私にはわからないとしておきます。

ここに載せるまでの友人たちとの作業は楽しいものでした。
ありがとうございます。
聞いてください。

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花の名前をよく知らないのは私個人のせいでもなさそうだ。
先日youtubeで北海道の方の作品を観ていたら、
花がいっせいに咲くシーンを、花という総称で済ませていた。
私もそうするだろう。
そういうわけで、
作中の花の名からそのすがたをよく思い浮かべられないまま、
Songを作っことを白状しなければならない。
そうして、
作り終わった今になってキンドルで植物図鑑を手に入れた。
これからはiPhoneに入れて、散歩に持ちあるく予定だ。
つづきますように、、、

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