聖福寺(奥州三十三観音第31番札所)
奥州三十三観音第31番札所の江峰山聖福寺(こうほうざんしょうふくじ)は、岩手県八幡平市西根にある曹洞宗の寺院です。
聖福寺は、慶長3(1598)年に寺田城主である北愛一彦助の開基、永泉寺(盛岡市)二世尽室長呑大和尚の開山と伝わります。
本尊は釈迦牟尼仏で、平安末期の作で八幡平市指定文化財です。また、本堂には県指定文化財で平安末期の作とされる光昧地蔵菩薩が安置されています。
墓地の間を通り抜けると、正面に本堂があり、右手に観音堂が建っています。
観音堂は、別名「白坂観音堂」と呼ばれ、神亀5(728)年に行基が創建し、聖武天皇の勅願所だったと伝わります。しかしながら、創建が行基であることや聖武天皇の勅願所となった事情などは伝わっていません。
その後、延長8(930)年には朱雀天皇が再興して寿応山沢両寺を建立。その証として直径1m、重さ120キロの鋳造の大鏡が伝わっています。
観音堂の本尊は非常に珍しい鋳造の七面観音立像で、作者・年代ともに不明ですが、かなり古い時代のものと推測され、大鏡とともに市の文化財に指定されています。御開帳は毎年7月17日になります。
聖福寺がこの札所を護持するようになったのは明治8(1875)年以降で、それまでの札所は時代により幾度か移転を繰り返していたようです。創建当初は七時雨山(1060m)の麓にあったと伝わります。
御朱印は本堂横にある庫裏でいただきます。
【御詠歌】むらさきの くもをそめたのかんぜおん ただじゅうねんの おこたらぬみを
【宗派】曹洞宗
【本尊】七面観世音菩薩(聖福寺本尊…釈迦牟尼仏)
【住所】岩手県八幡平市西根寺田第20地割27