飛不動尊~空飛ぶお不動さま~
宮城県南部の白石市から、山形県高畠町に抜ける国道113号線を通ると、「飛不動尊」という看板が目に留まる。
山形県に向かう際に何度も目にしていたものの、山中にあるようでなかなか足を延ばせずにいたが、萬蔵稲荷神社の参拝の帰路、行ってみることに。
飛不動尊は、地元の信仰が厚い場所の様で、道中には寄進された看板がたくさんあり、どんどん山奥に入っていくことに一抹の不安を感じながらも、迷わずたどり着くことができた。
山中にも関わらず、広い駐車場とトイレも整備されていた。
正直、山中にある荒れ気味の境内を想像していましたが、そんなことはなく、手入れが行き届いている。
帰り際にも参拝客(おそらく地元の人)が来ており、頻繁に訪ねてくる人がいるようだ。
それにしても、どうして「飛不動尊」というのだろうか。境内にある案内板に、名前の由来と由緒が解説されていた。
本尊の不動明王は、もともと羽州置賜郡小松村(現山形県川西町小松)松光山大光院という寺院にあったもので、飛不動尊は天正19(1591)年に伊達政宗により創建されたと伝わる。
もとは虎岩下の現国道113号沿いに建っていたが、文禄3(1594)年に不動堂が焼失し、その際に、本尊であるお不動さまが自ら飛び出し、堂後ろの岩窟に入り災厄を避けたといわれ、以後飛び不動尊と敬われるようになったという。
さらに、享保16(1731)年の大地震の際に、堂の一部が巨岩に押しつぶされるも、本尊及び僧侶たちは怪我もせず無事だったことから、一層の尊崇を受けるようになる。
不動堂は享保19(1734)年に現在地に再建され、それに伴い、七ヶ宿街道もこのお堂の前を通るようになった。
その名の通り、空飛ぶ霊験あらたかなお不動様のようだ。
そんな飛不動尊の縁起にあやかってか、「ゴルフのお守り」なるお守りについての看板があった。
境内に足を踏み入れると、奉納されている剣が目を引く。
剣は近くで見るとかなり迫力がある。
境内はそれほど広くはないが、六地蔵や観音さまなどが祀られている。
私が参拝した際には人がおらず、落ち着いて参拝できた。
なお、別当は萬蔵稲荷神社に向かう途中にある清光寺さんだそうで、御朱印も清光寺さんでいただけるようだ。
〇飛不動尊
所在地:宮城県白石市小原江志山6-1
駐車場:あり
御朱印:あり(別当清光寺で授与)
〇清光寺(別当)
所在地:宮城県白石市小原町13
駐車場:なし(路肩に停める?)