勝大寺(奥州三十三観音第22番札所)
第22番札所楽峯山勝大寺(らくほうざんしょうだいじ)は、第21番札所観音寺と同じ栗原市金成にある札所です。
カーナビで検索すると、勝大寺の表参道に案内されますが、駐車場の入口は付近の白山神社近くにあります。
白山神社の鳥居の手前に駐車場の入口があります。広い駐車場です。
写真奥に見える建物が勝大寺本堂です。まずは観音堂に参拝します。観音堂は白山神社境内にあります。
勝大寺は奥州七観音の一つで、開創は延暦23(804)年に遡ります。坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際、この地に鎮座する白山神社龍蔵大権現に戦勝を祈願し、戦後、戦勝報告とともに戦没者の霊を敵味方なく弔うために神社の前に一宇を建立、十一面観音菩薩を安置したのがはじまりと伝わります。
その後、大同2(807)年に改めて慈覚大師円仁を開山に請い、天台宗畜峯山法華寺と号しました。
文治5(1189)年の奥州合戦の際には、源頼朝が鎌倉への帰途に立ち寄り報賽し、野祭りを行いました。それが、現在国重要無形民俗文化財に指定されている「小迫の延年」であるといわれています。
南北朝時代に入り天台宗が衰退すると、永和元(1375)年、裕弁阿闍梨が入山し、真言宗として再興し、山号寺号を楽峯山勝大寺と改め、今日に至ります。
白山神社の鳥居を抜け、参道を進みます。写真左手の木立の奥に見えるのが観音堂です。
ちなみに、白山神社は、神亀元(724)年の創始と伝わる古社です。観音堂横にある鳥居の先に白山神社があります。
観音堂は、四間(7.2m)四面の大きなお堂で、江戸中期に建立されたものです。かつては修験山伏の祈祷道場だったそうです。
観音堂へ参拝後、本堂へ向かいます。余談ですが、道中に集められていた無縁仏の墓石に院号の戒名が彫られているものが多いのが印象的でした。
御朱印は本堂横の庫裏でいただきます。
【ご詠歌】もふけつも きへはうすべし つみとがの おもきちかひを たのむみなれば
【宗派】真言宗智山派
【本尊】十一面観音菩薩(勝大寺本尊…不動明王)
【住所】宮城県栗原市金成小迫三嶋45