清水寺(奥州三十三観音第16番札所)
奥州三十三観音霊場第16番札所は、宮城県栗原市栗駒にある音羽山清水寺(おとわさんせいすいじ)です。
京都の清水寺と山号も寺名も同じこのお寺は、坂上田村麻呂による開山で、大同2(807)年に田村麻呂が蝦夷征討の際、この地で一夜を過ごしたところ、夢でここが聖地であると告げられ、京都清水寺を勧請して一宇を建てたのが始まりと伝わります。
参道には彼岸花が咲いていました。
こちらが本堂です。本堂は文久年間(1861~1864)に建立されたものです。
清水寺は、坂上田村麻呂による開山後、一時廃絶してしまいますが、京都の智積院七世運敞和尚の手により再興されます。
その後の盛衰については明らかではありませんが、貞応年間(1222~1223)に地元の里谷森舘城主平師門が奥方とともに観音様に帰依、荒廃した寺院再興のために多額の寄進をし、七堂伽藍と12の堂宇を建造しました。このとき、京都清水寺の庭園を模した浄土庭園もつくられます。
この庭園は市指定天然記念物にも指定されています。
清水寺は寛正6(1465)年、野火により焼失し、伽藍などは焼失してしまいました。伽藍は復興されませんでしたが、寺院は再興され、寛永2(1625)年には伊達政宗も参詣しているそうです。
本尊の聖観世音菩薩は、一寸八分(5.4㎝)の秘仏で、坂上田村麻呂の護持仏であったと伝わります。秘仏は33年に1度の御開帳で、前回は平成11(1999)年の為、次回は令和14(2032)年になります。
御朱印は本堂に隣接する寺務所でいただきます。寺務所の玄関付近に書置きの御朱印が入った袋が設置されていました。
ちなみに駐車場は参道入口の前にあります。清水寺の付近には熊野神社があり、参道入口には石碑がたくさんありました。
【ご詠歌】はるばると みやこのそらも きよみづの はなはざいせの ひがんとぞみる
【宗派】真言宗智山派
【本尊】聖観世音菩薩
【住所】宮城県栗原市栗駒岩ケ崎字桐木沢3