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桙衝神社~祭祀遺跡の磐座~

福島県須賀川市に、桙衝(ほこつき)神社という延喜式内社がある。

この神社は、磐座一帯が古墳時代の祭祀遺跡で、須賀川市の文化財に指定されているという。期待に胸を膨らませ、桙衝神社へ向かった。

桙衝神社は、祭神に武甕槌神と日本武尊を祀り、『延喜式』神名帳に「磐瀬郡一座桙衝神社」と記載のある延喜式内社である。武甕槌神を祀ることから、中世からは鹿島神宮と呼ばれていたが、明治3年に社名を桙衝神社に改称したという。

社伝によると、養老2(712)年に常陸国(現在の茨城県)に土着していた豪族が鹿島神宮より勧請したのに始まるという。また、弘仁12(821)年には、境内から神鉾が出現したため、これを鹿島大明神の依代として祀るようになったとも伝わる。

参道入口に駐車スペースがある。参拝道は別にあるが、桙衝神社社務所の方から車で参道入口前にでることができる。道幅が狭いため要注意。

歴史ある古社だけに、参道には江戸期に奉納された石灯籠などがずらりと並んでいる。

随身門も古社に相応しい堂々とした佇まいをしている。

随身門をくぐると社殿が現れる。

本殿は慶安元(1648)年に白河藩主榊原忠次の命により建立されたもので、本殿の随所に時代や地方の特色を残していることが評価され、福島県指定重要文化財となっている。

社殿向かって左手にある境内社の天満神社奥に磐座への登り口がある。

標識が小さいためうっかりすると見逃してしまう。

傾斜のきつい道を登っていく。

5分ほど登ると、こんもりとした小山と岩が露出している場所に出る。どうやらここがお目当ての磐座及び祭祀遺跡のようだ。

小山の上には石祠が祀られている。この石祠の下にあるのが要石で、桙衝神社の磐座である。

正直そこまで大きくないのだなと落胆した自分がいたが、下に回り込んでみて驚いた。下から見ると巨岩がたくさん重なり合うようにあり、その岩の最上部に先ほどの石祠が祀られていたのだ。

この巨石群一帯が、古墳時代の祭祀遺跡であるようだ。

桙衝神社には、日本武尊東征の際、桙衝神社裏手の神居山(亀居山)山上にあった大石を祭壇に見立て、武甕槌神に対して戦勝祈願したという伝説が残されているが、古代の祭祀遺跡だったことに由来して生じた伝説なのだろう。

【所在地】福島県須賀川市桙衝亀居山97-1

【祭神】武甕槌神・日本武尊

【御朱印】不明

【駐車場】あり

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