大祥寺(奥州三十三観音第17番札所)
第17番札所である龍雲山大祥寺(りゅううんざんだいしょうじ)は、岩手県一関市花泉町にある寺院です。
大祥寺は、開創当初は白龍山岡寺という天台宗寺院でしたが、廃寺となり、正平9(1354)年に月泉禅師(後に曹洞宗奥州大本山正法寺2世になる)が再興開山となって寺号を改め曹洞宗に属しました。
開山の月泉禅師が岩手県奥州市水沢の正法寺2世を継いだ後、正法寺7世までは大祥寺から遷住され、大祥寺は正法寺への登竜門寺とされていたそうです。
山門は昭和61年に建立された楼門造りの山門で、この山門をくぐり、十数段の石段を上ると本堂があります。
こちらが本堂です。私が参拝したときは複数のお坊さんの読経の声が聞こえてきました。
観音堂は本堂の左側にある墓地の間を抜けた小高い丘の上にあります。
この観音堂は平成7年に改築されたもので、裏には収蔵庫があり、観音堂と連結されています。
収蔵庫に安置されている本尊の十一面観音菩薩は、165㎝の立像で、作者は明らかではないものの、平安末期に関東より招来したものとされ、昭和29年に県の文化財に指定されています。
また、この観音像は元は流峠村刈明城主寺崎一族の護持仏で、近くの観音堂屋敷に祀られていたものを寛文8(1668)年に遷座してきたものだといわれています。
御開帳は旧暦の3月17日と9月17日の年2回です。御朱印は本堂脇にある2階建ての庫裏でいただきます。
【ご詠歌】あるそとも みになすつみは おかでらの かねきくときぞ きへもはてなめ
【宗派】曹洞宗
【本尊】釈迦牟尼仏
【住所】岩手県一関市花泉町老松字水沢屋敷58