遺書A
僕は二十歳までに死ぬことにした。
しかしうまくいかなかったものだから、つぎは三十歳で死ぬことにした。
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十代のころ、強制的に植え付けられた孤独が障害になって残った。
ぼくが死んだとき、その汚れた種子がはじけて、あの絵のように胸から赤い花が咲くだろう。
なぜかというと僕は詩人だから。
超常的なことは、スプーンをねじ曲げるより簡単に起こせる。
僕は詩人だから。
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P.S.この遺書は見つかると非常に厄介。僕は目の前に現れるすべてを博愛し、特に、君を愛した。
なぜだかわからない。
〈了〉
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