季呼

映画を通して見えてくる、今感じていることを不定期に掲載します。

季呼

映画を通して見えてくる、今感じていることを不定期に掲載します。

最近の記事

映画「ジェノサイド・ホテル」で知る今起きているテロの現実

2008年11月26日にインドのムンバイで起きた同時多発テロをもとにしたストーリー。実際に被害にあった高級ホテル「タージマハール」に突如、武装集団が押し入り、無差別に宿泊客を襲撃していく。その中で、逃げ惑う様々な国の宿泊者やテロリストの実行犯達の心の動きをそれぞれに感じることができる。 この映画を観てまず感じたことは、この2008年11月に起きたテロの印象が私の中で全くなかったことだ。 2001年9月11日のアメリカでの同時多発テロ。NYのワールドトレードセンターが崩壊し

    • 映画「凪待ち」が震災後の石巻を通して描く、喪失と再生

      どうしようもないクズな男の生き様を通して、見えてくる今の世の中を リアルに香取慎吾が演じている?というより、郁男として生きている。 ギャンブル依存症、アル中、仕事が続かない、キレると感情を抑えられず、暴力を振るう、家族のお金を盗む、、、。 自分は、どうしようもないクズな人間で、生きてる価値がないと思っている。 人に必要とされたり、誰かからちゃんと愛されたりすることなんて、自分にはないと思っている。 というより、それを期待することを避けて逃げて、この人生からは抜け出せない、

      • 「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」を観て感じる120年前の革命的な時代の変化

        東京都美術館でやっている「クリムト展 ウィーンと日本」を見に行った後、クリムトにはまってしまい、その流れで、19世紀末に起きた様々な事が気になってしまっていて、ついつい色々なことを調べているうちに、このドキュメンタリー映画「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」を銀座に見に行った。 そもそもドキュメンタリーなので映画自体は、面白いというより、その時代に興味があるかが重要。ましてや第一次世界大戦の少し前という、学校でもかなり、すっ飛ばされて教えられている歴史の部分。

        • 映画「生きてるだけで、愛。」うつ病の現実。

          過眠症で引きこもり、無職の趣里演じる寧子。パートナーの菅田将暉演じるゴシップ編集者の津奈木に当たり散らして、自分の感情がコントロールできない。仕事も人間関係もうまく続けていけない。 「私は私と別れられない」自分を持て余している峯子は、泣きながら津奈木に訴える。自分でもどうしたらこの状況から改善できるのか、ちゃんとした人間になれるのかがわからないのだ。 うつ病は、すごく難しい病気だ。 まず、診断がすごく難しい。心療内科に行っても50項目ぐらいのアンケートのようなものに答え

        • 映画「ジェノサイド・ホテル」で知る今起きているテロの現実

        • 映画「凪待ち」が震災後の石巻を通して描く、喪失と再生

        • 「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」を観て感じる120年前の革命的な時代の変化

        • 映画「生きてるだけで、愛。」うつ病の現実。

          映画「人魚の眠る家」を観て、人の死を考える。

          東野圭吾原作のベストセラーを映画化。東野圭吾さん自身もこれを自分が書いていいのかと執筆しながらも悩んだという問題作。 プールで溺れてしまい脳死状態になってしまった娘を 医療の限りを尽くして生かしているが、だんだんとエスカレートしていくその行為に どこまでが生きていてどこからが死んでいるのか、誰もがわからなくなる。 愛する家族の死は、どんな人だって悲しいし、受け入れられないし、たとえ、話せなくても動けなくても、目を覚まさなかったとしても生きていてほしいと願ってしまう気持ちは

          映画「人魚の眠る家」を観て、人の死を考える。

          映画「億男」を観て考える。お金って何?

          3000万の借金を抱え、奥さんと娘にも出て行かれて、昼も夜も働いてなんとか借金を返そうとしていたところで、3億円の宝くじが当たって、一発逆転できるかと思いきや、お金に振り回されて本当の幸せを見失う。。。というような話。 確かに兄の保証人になったがために抱えた借金3000万というのも、なかなか大変だと思う。 しかし、その借金を真面目に返そうと必死で働いているところで、奥さんは娘のバレエはやめさせたくないと現実見えているのか的な発言でケンカになり、娘とともに出て行くことに。

          映画「億男」を観て考える。お金って何?

          映画「セッション」から感じる狂気の師弟関係

          映画「セッション」を見た。すごい映画だ。 何がすごいって、J・K・シモンズ演じるフレッチャーという鬼教官。 私は、蜷川さんの舞台演出風景を見た事がないが、よく、灰皿が飛んでくるというくらい激しい指導があったと聞くが、多分、この鬼教官みたいな感じだったのでは? 蜷川さんは、かなりのスパルタではあったけど、尊敬され、罵倒されてもいいから蜷川さんの舞台に出たい!と多くの一流の役者の人たちから切望されていたと聞く。 しかし、この鬼教官は、主人公マイルズ・テラー演じるニーマンを

          映画「セッション」から感じる狂気の師弟関係