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将来の夢と仕事を切り離す

中学高校留学生達とゴールセッティングをする時は、まず10年後とか20年後の、大きな夢や目標を考えてもらう。

実現可能かどうかなどは考えずに、なんとなく思い描いている 将来の自分の姿とか、希望とか夢とかだ。

そうすると多くの留学生が、こんな職業につきたい、こんな仕事をしたい、と書いてくる。

確かに、将来の自分の姿を思い描く時に、どんな仕事をしているのかはとても大切だ。

でも、自分の夢や目標と、仕事、つまりどのように収入を得ているかは、また別の話だろう。

将来はプロのラグビー選手になりたいとか、起業しているとか、ダンサーになりたいとか、学校の先生になりたいとか、仕事や職業を考えるのも必要だ。

でもそれとは別に、世界中の困っている人たちを助けたいとか、たくさんの友達に囲まれて楽しく暮らしていたいとか、だれもが宇宙旅行ができるようにしたいとか、どの国に生まれても最低限の教育を受けられる世の中にしたいとか、海が好きだから海を眺めながら暮らしたいとか、 一日中好きなダンスをしていたいとか、とにかく家族を大切に暮らしていたいとか、好きな時に好きな国にいって好きな人と好きなことをしていたいとか、そんな、理想の世界をつくることや理想の生活を送ることを、夢や目標にしてもいいだろう。

ただやはり、資本主義社会の中で生きていくためにはお金も稼がないといけない。

だったら、収入を得る方法と自分の夢や目標を、まったく切り離して考えればいいのだ。

今は、自分の夢や目標をかなえながらネットで収入を得る、という方法もあるし、このままリモートワークが進めば、自分で時間をマネージメントできるようにもなってくるだろう。

それでも、どうしても将来の夢や目標と収入を得る方法が切り離せない留学生には、こういうふうに伝える。

「もし今、手元に100億円あって、もう一生お金を稼ぐ必要がないとすれば 、10年後20年後、あなたはどんな生活をしていたいですか?」

そうすると中学高校留学生たちは、またちがうストーリーを話し出す。

もし自分の夢や目標と収入を得る方法が一緒であれば 、世界が急激に変わってその収入を得る方法が断たれてしまうと、イコール夢や目標もなくなってしまうことを意味する。

たとえ世界が変わって収入を得る方法がなくなったとしても、将来の夢や目標は持ち続ける。収入を得る方法は、その時代や場所に応じて変えていく。

これからの時代は、そんな生き方をするのもいいのではないだろうか。


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