同じ本をもう一度読むと
最近は、海外にいてもKindle などで日本の本が簡単に買えるので、最新刊もいつでも読めるようになった。また、日本で暮らしていると、コンビニや本屋でいつでも好きな本が買えるだろうから、毎週のように新しい本を買って読んでいるという方も多いと思う。
一方で、かなり前に買って本棚に並んでいる本を取り出して、もう一度読むこともあるだろう。
ストーリーや内容を知っている本をもう一度読む。小説なら展開も結末も知っているし、ノンフィクションなら書いてあることはすでに知っている。
でも、2回目に読んだときには、1回目と違うところに目がいったり、違うところで感動したり、違うことを考えたりする。
なぜだろう。
それは、自分自身が変わっているからとしか考えられない。だって、本に書かれていることは同じなのだから。
1回目に読んだときには気づかなかったことに気づき、1回目に読んだときには感じなかったことを感じ、1回目に読んだときには考えなかったことを考える。それは、自分のものの見方や、感じ方や、考え方が変わったからだ。
同じ本を少し時間が経ってからもう一度読むことで、その間の自分の変化がわかる。
そう考えてみると、本以外でも、時間を置いてまたもう一度それをしてみることで、自分を定点観測できる。
以前に行った場所にもう一度行ってみる。以前に会った人とひさしぶりに会ってみる。以前よく使っていたものをまた使ってみる。
そのときに、何に気づき、何を感じ、何を考えるのか。
それで、その間の自分の変化を、もっと言えば自分の成長がわかるだろう。