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シリーズ・留学を考える [12] - 現地でサポートする人からの影響

「シリーズ・留学を考える [3] - 出会う人を変える意味」でも書いたけれど、留学先の学校の生徒やホストファミリーなど日本では出会わなかった人との出会いで、留学生は日本とは違う成長のしかたをする。

そして、現地で留学生をサポートする私たちとの出会いも、留学生にとってはまた新しい出会いだ。弊社を通してニュージーランドに留学をしていなければ、留学生活で私たちとは出会わなかった。

だからこそ、私たちはたとえほんの少しでも、留学生たちが成長するようなサポートをしたいといつも考えている。言い換えれば、私たちのアドバイス、私たちの一言、私たちの行動などによって、留学生たちがいろんなことを感じ、考え、そして成長するきっかけになれればと思っている。特に中学高校留学生たちは、人生でも最も成長する時期だ。そんな人たちが何かを感じ、考えてくれたらとてもうれしい。

でも、長年留学生たちをサポートしてきて思うのは、私たちの現地でのサポートの影響力など、私たちが思っているほど大きくないということだ。

留学生たちが悩んでいたり、落ち込んでいたり、大事な判断をしたり、人生の大きな岐路に立っていたりするとき、私たちもできるだけ一緒に考えて、アドバイスをする。でも、彼ら彼女らは、当然いろんな人に相談もするし、いろんな人のアドバイスも聞く。私たちのアドバイスもその中の一つに過ぎない。そして、どの人から影響を受けるのかは、それぞれの留学生にゆだねられている。

だから、私たちが一生懸命その人のことを考えてアドバイスしても、なんの影響も与えないこともある。

しかし、たとえば誰でも歳を取ってから人生を振り返ったときに、誰かのほんの一言がその後の自分の人生に大きな影響を与えた、ということもあると思う。

その一言は、ふと読んだ本の一文だったり、選択科目の先生があるとき授業の雑談で話したことだったり、ネットサーフィンで偶然見つけた言葉だったり、テレビドラマの脇役のセリフだったり、もちろん、両親や友達からの親身なアドバイスだったりする。

誰かから何か大きな影響を受けるときは、その相手の存在の大きさも当然あるけれど、影響を受けるときのその人の状態にもよる。普段はあまり話さない人の一言、たまたま見たテレビドラマのセリフ、立ち読みした本の一文、SNSで流れてきたフレーズ、などが、その瞬間なぜか心に刺さり、そのあとの考え方や、生き方にさえ影響を与える。

だから私たちは、留学生へのアドバイスはもしかするとほとんどは心に刺さらないかもしれないけれど、一生懸命その留学生のことを考えて、言葉を選んで何かを伝える。それが、ときには彼ら彼女らに何かの影響を与え、もしかすると成長するきっかけになるかもしれないからだ。そして、留学生が留学している間は、私たちなりに何かをずっと伝えようとするし、サポートをし続ける。

その中のほんの一言でも、何かの瞬間にふと心にとまり、彼ら彼女らの成長をほんの少しでも助けることができれば、ほんとうにうれしい。

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