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スマホを買い替えたので思い出を振り返る

スマホを買い替えた。

前のスマホ(iPhone SE)は2年半くらい使っていた。契約上新しいスマホと交換する形で買い替えるので、SEはdocomoにお返ししなければならない。
手元に端末は残っていないが、彼が撮ってくれた写真はたくさんあるので、それらを眺めながら2年半の思い出を振り返ろうと思う。


2022.7.1

大学院の最寄駅から鴨方デルタが見える。
ラジオを聴きながら帰っていると、ふと「なんか今日綺麗だな」と思い写真に撮ったのを覚えている。今思うと明るい時間に帰っているようでは良い成績など取れるはずもないのだが、この景色は見られてよかったと思う。

2022.7.2

大好きなASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブ(撮影OKの時間)。
なら100年会館というこぢんまりした会場のアリーナ席だったのでめちゃくちゃ近かった。あと音圧がヤバい。僕はライブで手を振ったりするのがあまり得意ではないので、ゴッチが「好きなように楽しんで」と言ってくれたのがすごくありがたかった。
実は来週この日ぶりにアジカンのライブに行く。今のうちから本当に楽しみだ。

2022.8.2

夕焼け、ではなく朝焼け。
大学院生活で何度この景色を見ただろう。別に僕の部屋からの眺めは特別良いわけではないが、それでも先々の不安とか諸々の後悔とか一旦どうでもよくなるくらい綺麗だ。いつかおじいちゃんになって死ぬ時はこの時間帯がいい。

2022.8011

大学院の期末試験が終わり、帰り道に八百屋さんで桃を買った。彼女さんと一緒に食べるためだ。
どんな味だったかは覚えていない。おいしかった気もするし、そうでもなかった気もする。ただ彼女さんと食べたことだけを覚えている。多分、この先もそうなのだと思う。

2022.8.19

彼女さんと京都に遊びに行った時に出会った猫。
僕の住んでいる町には野良猫が多い。無責任な餌やりはご近所トラブルの原因にもなりかねないが、この辺りには猫好きな人とちゃんとしてない人、あるいは猫好きなちゃんとしてない人しか住んでいないので誰も困らない。だから猫たちはみんなふくふくと太り野良とは思えない毛艶を維持している。そのことの是非はさておき、僕は猫の多い町が好きだ。

2022.9.10

妹のバスケの試合を見に行った時に撮ったひまわり。
夏!って感じの写真だが、日付を見ると9月10日とあるのでピークは過ぎているようである。そう考えると見え方も違ってくる。
なんとなく想像がつくかもしれないが、田舎であった。ものすごく遠かったのだった。

2022.10.5
2022.10.5

はじめて米津玄師のライブに行った。
やたら良い席だったので喜んでいたら、後ろの方から「なら100年会館っていう会場があってさ」「絶対そんな大きくないやん(笑)」という会話が聞こえてきて世界の狭さを感じた。

2022.10.15

彼女さんとお別れした。
お互いに仕事と勉強で疲れていた。「嫌いになる前に別れましょうか」という話し合いの後、2人でギョウザを食べに行き、散歩をしながら彼女さんの家に帰って、一緒にお風呂に入った。
泊まっていけばいいと言ってくれたが、朝まで一緒にいたら決意が揺らいでしまいそうだったので、感謝の気持ちを伝えて部屋を後にした。自転車を漕ぎながら大いに泣いた。本当に人間って「うわぁん」って泣くんだなと思った。

2023.1.1

年が明けた。
凶を引き当て、「何事も思うようにならない」と言い切られ、地面がせり上がってきたと思ったらコロナに感染していた。咳が止まらず、体中がズキズキと痛み、期末試験、引いては卒業への不安が頭の片隅で暴走し、ほんの一瞬だけ死んだほうがマシなんじゃあないかと思った。

2023.1.24

コロナは治ったが後遺症で咳が止まらず、期末試験が刻一刻と迫る中、京都に雪が積もった。
地獄とは、もしかしたらこういう寒いところなのではないか。赤ら顔の閻魔大王と鬼たちがいて、暑さでひび割れた皮膚に汗が染みて痛むような、ある意味で活気のあるところを想像していたが、案外こういう生き物の気配もまばらな静かで暗くて寒いところなのではないか。
そんなことを考えていると、将来とか後悔とかもうどうでもよくなってしまって、「でも俺はまだ生きている」とようやく思えた。

2023.2.16

なぜか卒業できた。
早い話が教授の温情である。「卒業はさせてやるからがんばれよ」ということだ。危なかった。本当に危なかった。
ちなみにこの頃からnoteを始めた。そう考えるとずいぶん長いこと続けられているなと思う。

2023.3.1
2023.3.3

これはスマホで撮った写真ではないが、あまりに色濃く残っているので載せておきたい。
期末試験が終わるまでポケモンバイオレットを我慢していた。試験前に触ったら絶対に勉強しなくなると分かっていたからだ。もう現実が嫌になっちゃってた僕にとって、この世界は本当にありがたかった。大好きなポケモンがいて、ストーリーが作り込まれていて、そして遊ぶ時間は悠々と持ち合わせていた。

2023.3.28
2023.3.27

ひとりで京都旅行に行ってきた。
無事に卒業できたしどこかへ旅行へ行きたい。けれどもお金はそんなにない。そうだ、京都行こう。
比叡山を登ったりネカフェで夜通し銀魂読んだり下鴨神社に卒業報告をしたり、ひとりでも意外と楽しめると気づいた。

2023.4.26

また米津玄師のライブに行った。
案外一人だと当たるのかとも思いつつ、向こう何年か分のチケット運を使い果たしている可能性に怯えたりもしたが、それはそうとライブは最高だったのでそれでもいいかと思った。

2023.6.25

25歳になった。
色々と上手くいかないなぁとは思いつつ、それでも大学院は卒業できたので良しとした。

2023.7.29

司法試験が終わると、携帯料金が逆立ちしても払えなくなっていた。
仕方なく押し入れからあのバッグを引っ張り出し自転車に跨る。配達1件あたりの報酬が300〜400円、10件で1000円のボーナスがつくから、10件配達すれば確実に払える。
引きこもり司法試験浪人がいきなり炎天下でウーバーの配達をするとどうなるかは想像に難くない。10件配達し終える頃には汗も出なくなっており、ふらふらで帰還して飲んだ麦茶はこの年飲んだ物の中で一番うまかった。

2023.8.24

夏期講習で去年担当していた生徒たちと再会した。
お互いに初対面の体で授業を進め、最終日に記憶を取り戻した生徒たちがチロルチョコをくれた。なんだか少し泣きそうになった。

2023.12.13

弟の物件探しと銘打ったただの東京旅行に行ってきた。
不動産屋さんと弟が真剣な話をしている横で、一応何かを考えてそうなふりをして適当に部屋の写真を撮っていたのを覚えている。なんせ一人暮らしをしたことがないので弟にしてやれることなど何も無かったのである。
最終日に行った三鷹の森ジブリ美術館はとても楽しかった。屋上のロボット兵があまりにも綺麗でずっと眺めていた。

2024.1.1

また年が明けた。
今年は末吉だった。凶に比べれば大躍進である。
実はこの時も少し風邪気味だった。2025年こそは健康体で迎えたい。

2024.2.8

8年ぶりにバッシュを買った。
届いたその日に草バスケがあったので参加すると明らかに動きが良くなった。グリップやサポートももちろんあるだろうが、何より大きいのは気分である。少なくとも僕は雰囲気でバスケをやっているので気分さえ良ければキビキビ動けるらしい。かわいいやつだと思う。

2024.4.14

買ってから2年くらい寝かせていたグラードンを組み立てた。
不器用すぎて泣きそうになりながら組み立てたが、出来上がったちいぐらはとてもかわいかったのだった。

2024.4.20

はじめて京都競馬場に行った。
ずっとコースとパドックを往復し、お腹が空いたらバーガーキングでハンバーガーを買って食べた。たくさんお馬さんを見られたし、この日はめずらしく馬券が当たったのでハンバーガー代と交通費が浮いたのを覚えている。

2024.6.12
2024.6.12

挿し木で育て始めたガジュマルが上手く発根してくれた。
伸びてるのが目に見えるんじゃないかと思うくらい一夏ですくすくデカくなった。

2024.6.23
2024.6.23

ドウデュースを見に宝塚記念に行った。
結果は残念だったが、今でも「プール200mで2回戦やってくれてたらな」と思うが、ドウデュースを生で見られたので良い思い出だ。
先日の天皇賞・秋の勝ち方は実に爽快だった。今年いっぱいで引退するのが今のうちから無理すぎる。

2024.7.31
2024.7.31
2024.7.31

司法試験が終わりふらふらと動物園へ。
夏の動物園はやめた方がいいなんてよく言われるが、そもそも夏なんてどこに行こうが過酷である。どうせ辛いなら好きな場所で遊んだ方が楽しい。
実際に行ったから言わせてもらうが、夏の動物園はマジでやめた方がいい。

2024.8.18
2024.8.18
2024.8.18

九井諒子展へ行った。
ダンジョン飯のアニメをさらっと観ただけだったがそれでも楽しかった。この後コミックスを少しずつ買って読み進め、今本棚に8巻まである。あと6巻で終わってしまうのが寂しいくらい面白い。1巻ずつ大事に読んでいこうと思う。

2024.8.28

あの時植えたガジュマル。
一夏で成長しすぎである。切り取った時の5倍くらいのサイズになった。この調子だと来年には僕の腰の高さを超えてくるだろう。
ガジュマルの育て方を調べると、半分くらいは「いかにして成長を抑えるか」について解説されている。それくらい生命力に溢れた植物なのだ、この子たちは。

2024.8.31

久しぶりに絵を描いた。けっこう気に入っている。

2024.9.17

落ちたガジュマルの葉が綺麗な黄色をしていた。
鉢替えをしたらしばらく元気がなくなってしまい心配していたが、1ヶ月くらい経つとまた新芽を出し始めた。来年の夏が怖い。

2024.10.6

京都大賞典に行ってきた。
秋晴れの空の下、青々とした芝の上を走るディープボンドはとても綺麗だった。レース自体も激戦で、気づいたら最前列で彼の名前を叫んでいた。

2024.11.11

2年半一緒にいてくれたiPhone SE。
これは新しいスマホで撮った写真だが、思い出として載せておく。本当にありがとう。

2年半とはいえ、基本的に大学院でぐずぐずしたり家でもそもそしていただけだからすぐ書き終わるだろうと思っていたが、途中で手をつけたことを後悔しかけるくらいには長くなってしまった。
写真を見ても何があったか思い出せないということはなく、しかし写真がないと何も思い出せない。同じことが日記やプレゼント、ゲームのセーブデータなどにも言えるのだろう。そう考えると、各種の記録媒体に恵まれた時代に生まれたことは幸運だったのではないかと思う。誰に記録してもらえるでもない僕のことを、他でもない僕が、様々な手段で記録し続けることができるから。

次に携帯を買い替えるのは早くても2年後だが、その間にどんなことが起こるのだろうか。
まず働き始めなければならない。そして願望としては色々なところを旅行したい。
せっかくカメラが良いやつを勢いで買ったので、たくさん写真を撮ってやりたい。

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