おみくじのルーツを探しに:エピソード12
こんにちは、吉むすびです。
だいぶ現代に近づいてきましたが、おみくじにはまだ大きな事件がありました。
八、おみくじを結ぶ習慣
「ここは明治時代の神社」ミクは言った。
「あっ、おみくじを引いている人がいる。そして木に結んでいるわ!」海が見つけ指を指した。
「すみません。そのおみくじ何で結んでいるんですか?」良介は尋ねた。
「だってみんながおみくじをこの神社の生きている木に結び付けると縁ができるって言っているから。その人たちは、吉凶は分かったけど、神仏から頂いたものだから捨てるのはちょっと気が引けるの。だからみんながするように結んでいく人もいるのよ」と参拝者が説明してくれた。
「そうか。そしてこれがそのまま今、平成の時代まで受け継がれている習慣だったのね」海は納得した気がした。
「そうと言いたいところだけど、この明治時代にちょっとした騒動がおきたのよ」
「えっ!騒動!黒船が来たのは江戸時代だったはずだけど」良介は社会で勉強したことを思い出していた。「あと明治維新があったんだっけ」
「よく覚えていたわね。そう明治維新があって、そしてお寺と神社の間に問題が起きたのよ。実は仏教が日本に伝来して以来、日本の神道と仏教を同一視する考えがあったのよ。天海上人のお札を取りに行った小僧さんも神社に行くのはすごく普通だったわよね。そして神社に付属する寺の神宮寺等も建設されたりしてきたの。だけど明治になり、祭政一致、つまり宗教と政治を一緒に考える動きが出てそれを実現する為、日本古来の神道と仏教を分けて考えるようになったのよ。そして神仏分離令が明治政府から発せられ、それが更に廃仏毀釈という運動がおこり、仏教に関するものが壊されてしまったわ」ミクは説明した。
「そんなことがあったの、今はお寺も神社も平和的でそんなこと考えられないのにね。それでおみくじも影響を受けたということなのね」海が言った。
「そう。それまではおみくじとしては元三大師御籤が一般的だったけど、古事記の時代の昔から歌占という占いがあり、神様と和歌で占いをしていて、それがこの明治になり結びついたわ。例えば、日本の代表的な和歌の万葉集、そして学問の神様の菅原道真の和歌、明治天皇様と昭憲皇太后様の和歌、ことわざや訓戒そして各神社の神職の方が独自に作ったものなど多様化してきたのよ」ミクは現代の神社のおみくじについて説明した。
「そうか。だから神社のおみくじは元三大師みくじを使っていないところが多くあるのね」
「そう。ついでにおみくじを引くマナーもあるので教えておくわね。おみくじを引く前にお参りを済ませる事。そしておみくじを引くときは、神仏に何を占って欲しいかを心に念じて引いて」ミクは更に説明した。
「おみくじの事で知らないことがいろいろあったけど、ミクに教えてもらいすごく勉強になったよ」良介はミクに感謝した。
「それにしても良源上人様はかっこよかったわ。それに人々のことを思ってすごく立派な人だったわ」海は良源上人を思い出していた。
ミクは二人におみくじについて知ってもらえたので、満足していた。
題字、絵:瀬良田尚美
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