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おみくじのルーツを探しに:エピソード10

こんにちは、吉むすびです。
前回天海上人が小僧に信州の戸隠明神まで、元三大師のお告げに従いお札を取りに行かせました。さたどんなものなのでしょう?
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あのイケメンの良源上人様だね。でも夢のお告げって本当かな」良介は言った。
 
 「そうね、でもきっと何かあるはずよ。だって私と同じ名前なんだもの」海も嬉しそうだった。
 
 「小僧さん、待って、私たちも戸隠明神に連れて行って」良介と海そしてミクは小僧について信州まで付いていった。
 
 「お前さんたちは誰だい?何で戸隠明神まで来るんだい?」小僧は聞いた。
 
 「それは、今あなたが取りに行こうとしているものは、これからの日本ですごく人気のある物になるの」
 
 「へーっ、そうなのか。じゃあ、やはりこれから取りに行くものが多くの衆生を救うのだな。」小僧は嬉しくなった。
 
 「うーんっ。救うかどうかは、分からないけど、多くの人が楽しみにしているのよ」海は戸惑った。
 
 「いや、そんな遊びみたいなもではねえ。これは天海上人様が崇敬する元三大師様が天海上人様の夢に出てきたのだ。天海上人様はおいらにこう言った。『私が寝ていた時、崇敬する元三大師様よりお告げがあり、信州の戸隠明神に納めてある観音百籤を持ち帰り、それは吉凶を占うもので、それでもって衆生を救えとのことである。私は徳川家康様の御用で忙しく行けない。そこでお前に、この観音百籤を取りに行かせる重要な役目を遣わす。きっと、この役目を果たし、観音百籤を持ち帰るのだぞ』つまり衆生の為になれと言われたのだ。だから、もっとこのお札は大切にしなくてはならない」小僧はちょっと興奮して言った。
 
 「そうね。元三大師様も天海上人様も、みんな真剣に民の事を心配してこのお札を小僧さんに取りに来させたのだから、おみくじはもっとよく読んだほうが良いんだわ」良介と海はおみくじのありがたみが今まで以上に分かってきた。
 
 
 そして現代っ子の良介と海は、へとへとになりながら信州までの道のりを歩いていった。そしてようやく小僧と三人が信州の戸隠明神に辿り着いた。
 
ここは信州、今の長野県です。小僧は江戸から信州まで旅をし、ようやく信州の戸隠明神にやって来た。小僧は当然仏教徒なのだが、日本人であるからには、神社での参拝も心得ていた。
 
それに当時は神仏習合といって仏教と神道はかなり密着していた。そして鳥居の前で「私は江戸の東叡山、寛永寺から来たものです。本日は天海上人様の言いつけにより、こちらの神社にある観音百籤を取りに参りました」と心の中で唱え、礼をして神社に入っていった。御宝前にやってくると木箱が置いてあった。
 
その箱をドキドキしながら開けるとそう百枚のお札が入っていた。それが今のおみくじの元になる物なのです。
 
 「これが、天海上人様が言われていた観音百籤か。おいらがこれを江戸に持って行けば、多くの人が救われるのだな」と小僧は思った。
 
 「あの良源上人様のおみくじだわ」海はあのイケメンの良源上人の顔を思い出していた。
 
 そして江戸に帰った小僧たちは早速、天海上人にその観音百籤を渡した。
天海上人も嬉しそうに早速その観音百籤をあらためた。
 
 「元三大師様、確かに観音百籤は受け取りました。この籤を持って衆生の民の暮らしを楽にさせたいと思います。ありがとうございます」と天海上人は心の中で告げたのでした。
 
いかがでしたか?無事におみくじを取りに行くことができました。これからこの観音籤が日本中に広まるという事なのです。

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