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中高年は虚無に耐えられない?

こんにちは。橘 吉次(きちじ)です。

今回は、非常に深淵なテーマ。
人生の「虚無」について思うところを書いてみます。

「虚無」とは、何か。

辞書を引けば、
① 空虚、むなしさ
② 価値ある本質的なものが存在しないこと
③ 老子哲学における、「万物の根源は限りなく無であること」
とあります。

虚無主義という言葉もありますね。

これは、上記の②と③をもとにした考え方でしょう。

つまり「無」を前提にした生き方です。
ニヒリズムとも言いますね。


ニヒリズムってカッコいい!


ニヒリズムって、カッコいいです。
きちじも若い時分に憧れたことがあります。

他人や社会共同体に期待を持たず、
自分の人生に夢や希望を持たず、
ただ、淡々と時の流れを眺めている傍観者のようなクールさ。

カッコええ…じゃん!

情熱、夢の実現、自己成長なんて暑苦しくて、
騒がしくて、
うっとうしい。
そう思って、なるべく自分の感情が動かないように
冷めた目で世の中や、人生を見ておりました。

でも、それって若かったから採用できた生き方だったんだと、
今振り返れば、よくわかります。

そうなんですよ。
若くて、身体にエネルギーがあるから、
クールな思想に憧れるのです。

まだ若くて、自分の感情をコントロールする智慧がないから
クールに構えて自分の心が乱れないように防御していたのだ
という見方もできますね。


中年危機<ミドルエイジクライシス>


しかし、年齢を重ねれば体力は落ちます。
筋力も水分も、新陳代謝能力も、全部減っていきます。

身体が保持するエネルギー総量がどんどん減る…。

この減ってしまった身体エネルギーを何かで補わないと、人の精神はバランスを崩します。
これが「ミドルエイジクライシス」

中年危機です。

・自分は何の価値もない人間だ
・自分の人生は意味のない、つまらないものだった
・砂を噛むような味気ない毎日
・生きている意味も目的も、何もない
・食欲も性欲もない、感情も動かない

生ける屍のようになってしまう、ピンチに陥ります。

そうなのです。
若い頃に採用していたニヒリズムを、ずーっと採用し続けていると、
ミドルエイジクライシスがやってきます。

減少した身体エネルギーを

好奇心や情熱
夢や憧れ
学びや信念、愛情、尊敬、共感、理想…

そんな諸々によって発生するエネルギーで補っていかないといけないのです。
どこかで虚無主義を捨てて、

・人生は素晴らしい、生きることは価値あることだ
・世界は美しいもので溢れている
・人間は死ぬまで成長することができる
・自分の理想はまだ遠い、まだまだ学びが必要だ

と思って、自分で熱い精神エネルギーを捻出しなくちゃなりません。

誰かがエネルギーを与えてくれることはありません。

自家発電です。
自分で自分の熱エネルギーを創出するのです。


物質主義の落とし穴


「年取ると肉体は衰えるが精神は磨かれる」

って、あれ嘘ですよね。

肉体は自動的に衰えるけど、精神が自動的に磨かれるなんてことはない。

「えー?でも、経験は積まれるから、精神的に成長するんじゃないの?」

しません…。

くだらない経験をどれだけ積んでも、それはくだらないままです。
その経験を価値に変換しなければ、成長なんてしませんよ。

事実、肉体も精神も両方衰えている人はいっぱいいます。
老賢者は、いまや絶滅危惧種です。

物質主義につっぱしった時代の落とし穴に、
日本人全員が落っこちちゃって、
みーんな同じ穴の中にいるから、
「穴の中にいることが普通の状態」と勘違いするようになった。

これが現状なんじゃないかしらん…。

どう思いますか?

・虚無主義を捨てて、エネルギッシュに生きるぞ!
・まだまだ現役!若い奴らには負けねーぞ!
・第2の人生!自己実現だ!自己啓発だ!

なんて、悲壮な決意をしなくたって、
昔の日本人は、もっと賢くエネルギー補充をしていた。

どうやって?

それは、物語や自然の神秘や、目に見えない世界から、
エネルギーをもらっていたからだよね。

・お天道様が見ている
・死んだ婆ちゃんが助けてくれた
・ご先祖様に顔向けできない

これ、ちょっと前の日本人には当たり前のことだった。

そーやって、目に見えない他者や対象をいつも意識して生きているから、
人生経験がそのまま、<人生物語>という価値に変換できたのよ。


穴の外にでようよ

一緒に穴の外にでようよ。

穴の外は、きっと明るく、さわやかな風が吹いている。

霊が見える、見えないとか
死後の世界はあるとか、ないかとか
宇宙エネルギーと共振するとか、しないとか…

まあ、それも興味深いことではあるんだけど、
その前に、さあ。

もっとシンプルに
<世界は不思議なことに満ちている>
と、素直に思うことのほうが先なんじゃないかしら?

・不思議だね
・面白いね
・ワクワクするね

子供時代の感性を取り戻しましょうよ。

この感性こそが、虚無の世界を打ち消すんだ!
と、きちじは考えております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

では、さようなら



ご興味があれば、覗いてみてください!
橘 吉次 著作

橘 吉次講師「ストアカ講座」

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