
鵜澤先生による熱血指導!全身で学ぶ能楽体験!
吉祥寺シアターでは2024年8月から9月にかけて、インターンシップ生として跡見学園女子大学の直井雛希さんをお迎えしました。その中で、ワークショップの開催レポートも執筆いただきました。難しいイメージのある能楽を身近に感じられる内容になっています。ぜひご覧ください!
―――――――――――――――――――――――――――――――
8月2日(金)武蔵野芸能劇場で小中学生を対象に「能楽を丸ごと体感するワークショップ」が開催されました。ワークショップでは前半に能楽についてのお話を聞き、実際に舞を鑑賞し、後半は劇場内にいる全員で謡(うたい)の稽古や仕舞の稽古をしました。
14:00~
講師紹介。
今回のワークショップに講師として鵜澤光(うざわひかる)先生と川口晃平(かわぐちこうへい)先生をお招きしました。
14:05~
仕舞「敦盛(あつもり)キリ」鑑賞
講師の鵜澤先生と川口先生による“敦盛(あつもり)”という演目の一部分を鑑賞しました。
実際の舞を見て、劇場内に響き渡る声や表情、一つ一つの丁寧な所作、相手が目の前にいなくても誰かと戦っているかのような気迫を感じ、子ども達だけでなく、保護者の方々も見入っていました。


14:15~
能楽について・能舞台についてのお話
仕舞の鑑賞をした後、能楽の歴史や実際の能舞台の写真を見ました。子どもたちは舞台の造りについて真剣に先生の話を聞いていました。

14:25~
演目についてのお話
実際の舞台で使われている面や小道具、装束を見ました。役柄によって使う小道具や装束が違うことや面にも細かい違いがありました。先生がクイズのように出題することで、子ども達は一生懸命に手を挙げ発表し、楽しそうに学んでいました。


15:05~
謡(うたい)の稽古
今回は仕舞「竹生島(ちくぶしま)」の最後の部分の稽古を行いました。謡(うたい)の稽古は、子どもから大人まで大きな声で発声しました。抑揚のついた“節(ふし)”に苦戦しながらも先生の声の後に続き、何回も何回も出来るまでやりました。厳しくもユーモアのある指導の中、最後まで謡(うたい)を楽しんでいました。
15:15~
仕舞「竹生島(ちくぶしま)」の稽古
2グループに分かれて5人ずつ舞台上で、先生の指導のもと舞の稽古をしました。能楽の型には大人向けの型と子ども向けの型があり、今回は子ども向けの型で舞を行いました。複雑な動きもあるため、苦戦している子もいましたが、全員で声を出してリズムをとることで、難しい部分も出来るようになりました。


その後、講師のお二人が演じる竹生島を見て子どもの型と大人の型の細かい違いを発見し、能楽を演じることの難しさや奥の深さを感じていました。
15:45~
質疑応答
「能楽を何歳から始めたか」という質問や、「今までの演目の中で何が一番楽しかったか」、「今まで何回能を演じたか」、など鵜澤さんの能に関する質問がありました。他にも「好きな食べ物は何か」といった、何気ない質問まで、たくさん質問の手が挙がり、賑やかな時間になりました。鵜澤先生の家は代々能をしているため、幼少期から能に親しんでいるが、能を仕事にしているのは、家柄によるものではなく好きなことだから、と質問の中で答えていました。
私自身も今まで能を鑑賞する機会が少なかったため、能の歴史や能舞台の造り、装束と面の違い・意味など知らないことが多く、沢山のことを学べました。特に装束に織り込まれている花の意味によって、着る役柄が変わってくることに、能の細かいこだわりを感じられました。
今回のワークショップは、能楽に関する話を聞くだけでなく、実際に舞台で使われている小道具を見たり、仕舞を体験してみたりしました。参加した人の中には、まだ歴史を学んでいない子ども達も何人かいましたが、全身で丸ごと体感することによって能楽をより知ることができ、楽しさを実感できたと思います。
皆さんもぜひ、能楽の体験に足を運び、日本の伝統芸能である能楽に触れてみてはいかがでしょうか。