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【ファンタスティック・プラネット】もはや芸術、半世紀の時を経たフランス名作アニメ!

みなさんこんにちは!入社が近づいて参りました、インターン中のアズです!卒業で後輩や友達と少し離れてしまった悲しさと、社会人になるというドキドキが押し寄せています。社会人となり忙しくなる前に、一度は見ておきたいと思っていた『ファンタスティック・プラネット』がなんと、YouTubeにおいて(2024年3月8日から2週間限定)で全編公開されていたんです!迷わず視聴しましたのでご紹介します!


1.アニメーション映画の原点『ファンタスティック・プラネット』

INTRODUCTION
舞台は地球ではないどこかの惑星。
真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らに虫けらのように虐げられる人類オム族の、種の存続をかけた決死の闘いを描くーー。

『ファンタスティック・プラネット』公式サイトより

『ファンタスティック・プラネット』はなんと2024年から半世紀以上も前の1973年にフランスで製作されたアニメーション映画です!ブラックユーモアに溢れた作風で知られるアーティスト、ローラン・トポールが4年間もの歳月をかけて原画を描き、アニメーション作家の鬼才、ルネ・ラルーが「切り絵アニメーション」の手法で映画化を行いました。そして映画公開同年の第26回カンヌ国際映画祭で、アニメーション作品初となる審査員特別賞を受賞しています。日本アニメ映画の巨匠ともされる宮崎駿にも、大きな影響を与えたと言われている作品です!

私も作品自体の存在は知っていたのですが、なかなか機会がなく今まで見れずにいました。しかしYouTubeでの限定公開があり、念願叶って視聴することができました!やはり思った通りの不思議な世界観で、その幻想的な作画、デザイン、ストーリーに妙にのめり込んでしまいました。

この作品では、人類であるオム族が下等生物として扱われ、原始的な生活を強いられている世界を舞台としています。オム族の主人公テールは、同じ惑星に住む上位存在の巨人ドラーグ族の少女ティバに拾われ、ペットとして飼育されます。ある日、テールはティバの学習器を盗み、脱走したのです。そして学習器により知性を手にしたオム族と、今まで虐げてきたドラーグ族との闘いが始まることとなります。

2.作画、デザイン、音楽など全てが美しくもおぞましい世界観

『ファンタスティック・プラネット』の醍醐味といえば、まず作画でしょう。まさに空想的な異世界を線の細い鉛筆画風のタッチで細かく描かれています。特に人類のオム族の表情は、その空想的な世界の描き方と対照的に、陰影や髪・髭の流れなどかなりリアルに表現されているのです。そのため、ドラーグ族からの攻撃に逃げ惑う姿など、「不安」や「恐怖」が非常に際立たされていると感じます。

そしてこの世界に登場する様々な生き物たちのデザインも、空想とSFがミックスされた、なんとも“異様”にもかかわらず美しさを感じます。ドラーグ族については、形は人間と同じですが、深く鮮やかな青に真っ赤で見開いた瞳、髪の毛も眉毛もありません。表情が基本的に読み取りにくいデザインなのですが、人類であるオム族はリアルな表情で描かれているため、ここに対比が生まれ、より不気味さを与えています。

本編に挿入されている音楽も、この作品を引き立てている魅力のひとつです。サイケデリア、ジャズ、ファンクといった複数の要素が融合され、とても複雑な音楽です。SFっぽさがありつつも、不思議なだけでなく、不気味かつ切迫感を感じられ、耳にまとわりつくような印象です!

これらの作画、デザイン、音楽などのひとつひとつが合わさり、美しくもおぞましい、シュールで癖になってしまう作品を完成させているのだと感じました。アニメーション映画としても傑作ですが、ある意味芸術作品として捉えることができるのではないか、と思えてくるほどです。

3.芸術性だけでなくメッセージ性も強い作品

ストーリーの設定として、人類がそもそも下等生物として扱われていることが、まず面白いと感じました。小さな人類のオム族に対し、ドラーグ族の子供達は摘み上げて落としたり、戦わせたり、水をかけたりと、死んでしまっても構わない残虐なことをしています。ドラーグ族にとっては無邪気に遊んでいるだけ、というのもなんだか恐ろしいですよね…。小さい頃にアリやダンゴムシで遊んでいた自分をドラーグ族に重ね合わせてしまいました(笑)

また、知性を手に入れ始めたオム族に脅威を感じ、虐殺、戦争を行っていく展開もかなりメッセージ性を感じました。原始的な戦いではなく、殺戮用の兵器が開発されていたりと、戦争や迫害への恐ろしさを独特のタッチながら確実に感じさせています。制作されたのが1970年と考えると、やはり戦争や差別といったテーマへのメッセージを感じられる内容です。種の違いとそれぞれが相互に感じている恐ろしさから、なかなか理解し合えず偏見を持ち、ついにはその存在自体を排除してしまおうという動きにつながってしまいます。映像の雰囲気とも合わさり単純な恐ろしさだけでは言い表せないでしょう。

4.一度は見ておきたい、空想SFアニメの金字塔!

半世紀の時を超えても支持を集めるアニメーション作品はなかなか見つからないと思います。歴史的芸術作品にもなり得るのではないでしょうか!現在『ファンタスティック・プラネット』はU-NEXTやHuluをはじめとした配信サイトで視聴可能です(公開状態は随時更新される可能性がありますので、各配信サイトにてご確認ください)。皆さんも独特な世界観、幻想的な作風に引き込まれてみてはいかがでしょうか。

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