缶酎ハイと焼き肉
今晩は、きっと親父と最後の男同士の会話をさせてくれるために、神様が与えてくれた日だったのだろう。
お袋も妹も姪っ子もいない。
焼き肉用プレートで、肉を食えとばかりに用意してくれていたものを、僕と親父で食べるだけ。それじゃあ、つまらないので、親父に「今夜、2人だし、ちょっと飲む?」って聞いてみた。顔を見ればわかる。僕は、缶酎ハイを3本と枝豆をコンビニで買ってきた。
2人で焼き肉パーティーだ。これからの、僕の生き方を伝えた。もう好きにしろって感じだった。
随分と僕は両親に心配をかけている。わかっている。僕の息子がこんな状態だったら、なんて声をかけていいのかわからないだろう。そんなことを僕はしているのだから。孫にだって普通に会いたいはず。こんなことになっているのだから、何も言えないし、望んでもいない。
僕にも学びがあるように、両親にもきっとあるはず。年老いてまで学びがあるなんて、誰も想像つかないだろうけど、ある。人は皆気づかないだけ。
僕は、両親よりも学びのレベルを超えてしまったからの苦痛があるのだと思う。だから、両親は強くいられるのだし、いつまでたっても子供扱いする。対等な人間の扱いができるようになって、初めてわかりあえたと思えるのだろう。今のままでは、無理だけど。
それはもうわかっている。僕は死ぬまで、どうしようもない息子を演じるだけ。それが彼らの望んでいることだから。それでやっと、腑に落ちる。
もうおしまい。両親との終わらない戦いも終わり。
すべては、学びの少ない僕のせい。それも仕方がない。気が付かなかったのだから。時期も期間も関係ない。遅いも早いもない。気が付いた時が大事だから。後悔もない。
子を思う気持ちは、僕が一番よく分かっている。僕はスゴイ。親にも子供にも均等に考えさせるきっかけを与えている。それが僕の使命。
今夜の酒は忘れない。
そして、いつか息子や娘とも飲みたいな。そんな日が来る。
だって、親子だもんな。
🍀I hope you are happier than yesterday.
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