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アイドルの結婚は裏切りなのか

J系タレントの結婚報告が相次ぐ2024年。
かくいう私も、20年以上Jオタをしている。

以前、別記事で、人の結婚について軽く書いた。
簡潔にいえば、アイドルだろうとなんだろうと、
いわゆる「推し」の結婚は、とても嬉しいタイプ。

これは今現在、私がファン歴20年超となり、
一人の人として、彼の幸せを心から願っているから、
「嬉しい」と思えているだけなのかもしれない。

とはいえ、主観を抜いたとしても
芸歴10年を超えたアイドルの結婚においては
「裏切り」と呼ぶには相応しくないな。と、
多様なSNSで目撃しては、感じている。

そもそも、他人の結婚を「裏切り」と呼ぶには
事柄に対し、共通の認識があり、同じ目標を掲げている関係性が要る。

未婚の友人同士で「もう恋愛なんてもういいよね!」と慰め合い、
独身でも強く生きるという結託をしたにも関わらず、
1、2年以内に相手から「結婚決まりました!」という報告が…という
このスピーディーな展開は「裏切り」と呼んでもいいかもしれない。

ということは、アイドルの結婚を「裏切り」と呼ぶファンは
そのアイドルと「誰とも結婚しない」という約束でもしたのだろうか。

結婚に限らず熱愛もそうだけど、明るみになったときに
裏切りとか嘘つきとか、そういう言葉で責める人は、
好きと信頼が一緒くたになっていて、感情も揺らぎやすい
ひどく純粋な人なんだな。と思わざるを得ない。

芸能人の結婚において、寂しいとか悲しいとか、
その手の感情に陥る感覚が、いまいち理解できていない。
でもそれは、私にとって、身近な好きな人に恋人がいたり、
伴侶がいたりするのを知ったのと、同じ感覚なんだろうと思う。

だとするならば、
そう感じてもらえるほど、その芸能人は、アイドルは、
ファンと心的距離を近づけることができていたし、
失った。と思われるほどの高嶺にいけた、ということ。

反響の大きさは、注目度の表れだから、
恋愛、ましてや結婚の報告の際に
ファンに対して謝罪の言葉をチラつかせないでいい。

だがしかし、その報告に関しては、細心の注意が必要だ。

そもそも報告する義務があるのか、というところにもなるが、
しなきゃしないで、またウルサイ人たちがいるし、
付きまとう仕事の人たちに、面白がられてしまうので、
出来ることなら先手を打っていただきたい。

報告の仕方だが、きっと模範としては
「結婚しました。今後ともよろしく。」程度の短文が理想だろう。
プライベートな報告に5W1Hは不要。
深く言及せず、簡潔な報告は、一般の仕事でも好まれる。

以降、結婚については自ら語ることもなく、
最大の部分は、どんな媒体でも[結婚おめでとう]と言わせないこと。
芸能界の内部事情など知る由もないが、
極度な忖度がまかり通る世界なのであれば、NG項目も通るだろう。

もちろん、義理を通すことは仕事上でも大切なので、
諸先輩方からの祝辞は、大いに受け入れてほしいところではある。

頭のほうで「芸歴10年を超えたアイドル」としているのは、
芸歴10年未満のアイドルの結婚は、不誠実だと思っているから。

アイドルを始めるのは、大方10代20代。
そこからの10年間は、10年後以降の人生を考える時間であってほしい。

5年程度で全体が掴めてきて、自分のポジションがわかる。
7、8年で周りの信頼を得つつ、主体性を持って挑めるようになる。
10年で周りが安心して仕事ができるようになる。
正直これはアイドルに関わらず、社会人としてそう捉えてる。

なので、周りとの信頼関係が構築しきる前に、
結婚という転機を決めてしまうのは、不誠実と呼ばざるを得ない。

もちろん、その人の能力にもよるし、覚悟の強さも関わってくる。
が、アイドルには「若さ」が求められがちなこともあり、
そこに「結婚」が入ってくると、若さという武器が消滅してしまう。
既婚者という肩書を武器に、20代が戦えるとは、なかなか思えない。
だから、結婚するしないは本当に慎重になってほしい。

また、恋人の存在というのは、
結構グレーな情報かもしれない。

他人と深い関わりも持つことで得られる情緒がある。
それが表現力に繋がるとしたら、とても良い経験値。
芸能人としての技術に繋がる。
しかし、恋愛も十人十色もいいとこだから、
全員が全員、仕事への経験値に変換できるわけではない。

絶対に隠し通せ。は、あまりにも苦行だし、
あれだけ魅力的な人に、恋人がいても不思議ではないが、
自覚と配慮を覚えようね。というのは常々思う。

なので、熱愛においては無言を貫くくらいがいい。
無言を肯定と取るのも、少々妙な話だとは思うが、
迷惑を被る内容であれば、そっと否定はしてもらいたい。

いくらアイドルとファンが、偶像と信者だといっても、
年月が重なれば、そこには厭でも「信頼」が生まれる。
そこにしかない関係性。空気感、雰囲気、らしさ。

アイドルと、そのファンだけの時間や空間があって、
コンサートやライブは、少なからずファンにとっては、非現実で非日常。
そこに、アイドルにとって現実である、恋人という存在が入ってくると、
「ファンとだけの時間」が台無しにされた気分になるわけだ。

そういう場面が発生したときには
「裏切り」と呼ぶに相応しいと、私は思う。
もちろん、故意に発生させた場合のみだが。

恋愛や結婚を仕事に取り入れないでほしい。
とは思うが、それは単なるファン心理であって、
仕事の方針を決めるのは、アイドル自身。

なんやかんや言っても、
結局、アイドル側にもファンを選ぶ権利があると思うし、
活動方針に嫌悪を抱くなら、離れるべきだ。
でも、好きってそんな簡単じゃないんだよね。知ってる。

10年という時間を基準にしたいわけではないが、
人同士が支えあう10年間で、絆が生まれないわけがなくて。
人を思いやれないような人が、10年も活動できるわけがなくて。
10年を浅く短く捉える人が、多くの人に好かれるわけもなくて。

芸歴10年を超えたアイドルが結婚するというのは、
多方面からの多様な反応を見据えたうえで決めたもので、
生半可な覚悟で、報告しているとは到底思えない。

アイドルという仕事とは別に、
大切にしたいプライベートがあって、人がいて。
アイドルとしての自分も、ファンも大切にしたくて。
どちらへの想いも愛情も強く、固く。
だから、どちらにも認めてほしくて。知ってほしくて。
心に留めておいてほしくて。

私はそういうものだと思いたくて。信じたくている。
だから、芸歴10年を超えたアイドルの結婚を
「裏切り」と呼ぶには相応しくないと、考える。

「結婚」を、転職のように捉えてる私だから、
環境が変わることも、世間の目が変わることも、
きっと強みに変換できる、と思ってるんだろう。

これまでやってきたことが無くなるわけじゃないし、
これから出来ることが増えるかもしれない。
見えてくるものが変わる。当然のことだ。

だから余計に、ファンが見えにくくなるんじゃないかと
今まで通りの輝きではなくなるんじゃないかと
不安に思ってしまうのかもしれない。

それを「裏切り」という言葉に変換してしまうのかもしれない。

好きな人の環境が変わることは、
目に見えないからこそ不安が募るんだろう。
それならわかる。

好きでいることに自信を持ちたいのであれば
不安を飼い慣らしながらも、見守り続けよう。

変わらずとも進化を続ける「推し」であるならば
きっと、多様なエンタメの舞台で証明してくれる。
ファンを安心させてくれる。魅了させてくれる。
また、好きにさせてくれる。

どうしても私は、好きな人たちを好きでいたいし、
信じているので、幸せでいてほしいし、結婚は嬉しい。

万人に心から祝われるのは難しいかもしれない。
でもそれだけ分母が大きいということだし、
祝わない人もいないわけだから、
こちらを見失わずに、またステージに立ってくれれば
きっとそれで良い。
輝きを増して、魅せてくれたら、なお良い。

自分が築いてきたものに自信を持って
自分を好きでい続けてるファンを信じて
自分自身の人生を、素敵なものに彩ってほしい。

これが、Jオタ歴20年超の着地…(南無)

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