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ブランド構築

【地方企業のためのPR・広報戦略】課題解決と企業出版 その6

毎日の新聞を読んでいて、「◎◎さんが出版」という記事をよく目にします。吉備人出版が本を出した場合、新聞掲載される確立はかなり高いものです。

今日はその一部を持ってきていますが、メディアでの取り上げられる率は、出版物の場合かなり高いと言っていいでしょう。

次に挙げるテレビ番組見たことはありますか?

プロフェショナル仕事の流儀(NHK)
情熱大陸(TBS系RSK)
カンブリア宮殿(テレビ東京系テレビせとうち)

次の新聞連載をご覧になったことは?

朝日新聞土曜日別刷「be」フロントランナー
日本経済新聞「私の履歴書」

「カンブリア宮殿」に出演したいと思っても、簡単には出演できません。報道は、企業の意思では実現しないのです。

しかし、本に取り上げられること=「出版」はコントロールできます。書店に並び、新聞で紹介される、講演に呼ばれる。つまり出版する、著者になることで、自分(自社)を売り出すことが可能なのです。

【事例③】

『愛だ!上山棚団~限界集落なんて言わせない!』は、2011年に出版した本です。

吉備人出版の15周年記念の作品公募で最優秀作品に選ばれ、その翌年に刊行しました。

初版2500冊の地方出版社から出た本ですが、2012年暮れのTBSのサンデーモーニングという番組に登場し、この上山の棚田で作られたお米は「メリーライス」と名付けられ、暮れにはセブン&アイフォールディングスの「冬のギフト」、しかもあのSMAPの草薙剛さんがおすすめするアイテムに選ばれました。4キロが1万500円です。

岡山の耕作放棄地を再生した棚田米というストーリー性が、通常の3倍以上の値段のお米になったのです。

企業ではありませんが、協創LLPという団体、NPO法人上山集楽という組織と活動を、一気に広げたことはいうまでもありません。

この成功例は、もちろん本の発行だけで得られたものではありませんが、本として世に出るまで、岡山県内でもほとんど知られていなかった活動ですし、本が読者を獲得することで、棚田団は日本中、いやタイやミャンマーといった海外にまでもつながっていったのです。

出版後の詳しい展開については第2弾『上山集楽物語~限界集落を超えて-』という本にまとめられ、2014年に刊行されました。つい最近でも、トヨタ財団のモビリティプロジェクトの決定で話題になりました。

このほかにも、北屋建設という工務店が出版した、『ご機嫌な住まい』は3000部で多くの新築、改築の相談、受注を受け、本は増刷しました。

よくある住宅雑誌のモデルハウスを紹介したような本ではなく、北屋建設が手がけた家に住んでいる人の暮らし方を紹介し、施主と施工者のコミュニケーションを紹介した本です。

書店でも販売していますが、会社としては営業的にパンフレット代わりに配布したようです。とはいえ、もらう側は数ページのパンフレットではなく、定価のついた書籍をもらうわけですから、それだけでも印象度は違います。

また、書かれている内容も、住宅の宣伝ではなく、住まい方の提案ですから、これから家を建てようという方にとってもは参考にもなり、夢も膨らむわけです。顧客からもたいへん喜ばれ、増改築やお客さんの紹介もあったと聞いています。

本はいろんな人の手元に渡っていきます。本の一人歩きするのです。新聞広告やパンフレットにはない、書店や図書館にたたずんでいて、必要とする人の手元にそっておさまり、読む人の心を動かすのです。そう、「本が営業」してくれたのです。

本には、信頼性、専門性、持続性、ニュース性があり、しかも費用はさほど高いものではありません。

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