地方の企業は地方で
【地方企業のためのPR・広報戦略】課題解決と企業出版 その3
日本の出版事情について、少し見てみましょう。
2014年の出版統計の数字ですが、日本の出版売上1兆8332億円、うち書籍が8614億円、雑誌が9717億円です。
年間(2014年)の新刊点数は、8万2204点(過去最高)でした。これを365日で割ると、225点。つまり毎日225点の新しい本が生まれているのです。
日本には出版社と名のつく会社が約3676社あります。これは、前年より58社減っています。所在地は東京2819社(76%)、大阪149社、京都131社……という順番です。圧倒的に東京に集中していることがわかります。
ちなみに岡山県は、この出版統計上では14社となっています。
出版社3676社のうち、年間11冊以上発行している出版社978社。
1位:講談社2200点
2位:文芸社1739点
3位:角川書店1319点
……という順です。
ちなみに吉備人出版は、この年少し点数が少なくて22点(653位)でした。
売上数字的には縮小気味の業界ですが、ビジネス書の分野は元気です。
さて、みなさんに質問です。
本を読むことがお好きですよね。どんなジャンルの本を読まれますか。
ビジネス書と呼ばれる分野の本、読まれますか? 好きなビジネス書、記憶に残っているビジネス書は何ですか?
書名覚えていますか? では著者名は? 発行者(出版社名)覚えていますか?
小説などは作家、専門分野の本は発行所が気になり、記憶にも残るところですが、ビジネス書はタイトル、テーマが優先され、著者名、発行者はその次のような気がします。
ぼく自身、仕事の必要性もあり、ビジネス書のジャンルはたくさん買うほうです。
例えば、経営コンサルタントの社史を依頼されてから、それまであまりなじみのなかった経営コンサルタントの仕事や業界に関する本を何冊も手元において読んでいます。また、自動車部品メーカーの社史編纂の場合、業界関係の本に加え、自動車メーカーを題材にした小説まで、その幅が広がります。
選書のポイントは、内容です。だれが書いているか、どの出版社から出ているかはほとんど気にしていません。
つまり、ビジネス書は、なんらかの目的をもって手にする場合が多いので、内容さえ興味を持たれるテーマなら、あまり名前の知られていない出版社から出ていても構わないように思います。もちろん、ビジネス書のジャンルに特化してその名前を知られている出版はいくつもあります。
テーマ、内容、切り口さえ読者の興味を惹くものであれば、著者が無名でも、発行所が有名でなくても(地方の出版社であっても)、勝負の土俵に上がることはできるのではないでしょうか。