出版社だからこそ

【地方企業のためのPR・広報戦略】課題解決と企業出版 その9

実際、社史を編纂する場合、どんな作業が必要なのでしょうか。社史の編纂手順を基にどんな作業があるか、挙げてみます。

①出版の目的を明確にする
②資料の収集
③年表の作成
④目次案の構成
⑤構成案に基づくインタビュー
⑥社員、OB、周辺人物へのインタビュー
⑦基本原稿の作成
⑧写真・図版類の収集、整理
⑨⑧のデータ化
⑩テキスト+図版による原稿化
⑪編集制作作業
⑫校正
⑬組版データの作成
⑭印刷
⑮製本
⑯配布

こうやって、長い時間をかけて作った本をどう活用するか。社史や企業出版で編集、つまりつくることばかりに目がいきがちですが、できた本をどう活用するかということも重要です。

社員やOBに配る
日頃のおつきあいがある取引先、銀行などに配布する
お客様に読んでもらう
マスコミなどにも配ります
図書館へ寄贈

一般的にはこうした活用ですが、私なら更に書店での販売なども提案します。もちろん本の目的にもよりますが、一般の書籍として広く企業のことを知ってもらう、ファンになってもらう、地域の中での存在を認めてもらおうという気持ちがあるのなら、ISBNという国際的な本の番号をつけて刊行することをおすすめします。

そして、必要であれば、新聞に書籍広告を掲載します。新聞やテレビ、ラジオなどにも取り上げてもらうよう働きかけをします。

読まれる社史にするためには、いくつかテクニックもあります。

例えば、

原稿の書き方…一人称か三人称か。
ドラマチックに、ストーリーを考えて。
原稿制作上の留意点…普遍的な価値、物語性、読みやすさ、ウソは書かない、攻撃しない、弱点も書くことがたいせつです。

でも、こうした社史の編集は、だれが担当するのでしょう。

企業にとって「出版」「編集」は非日常の作業です。原稿を書いたり、編集したり、写真を撮影することもあるでしょう。膨大な資料を集め、それを読みこなす力も必要です。そんなプロフェッショナル、社内にはいません。そう、企業は、出版のために人材を置かないのが一般的です。

では、どこかに依頼しなければなりません。

依頼先として、こんな業種が考えられます。

① 印刷会社
② 広告代理店
③ 東京の専門会社
④ 編集プロダクション
⑤ 地元の出版社

それぞれに特徴、一長一短があることがわかると思います。

出版の目的に合わせて、依頼業者を選定することが大切ですね。

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