非A、非I、非E
SF作家ヴァン・ヴォークトの作品「非Aの世界」がアルフレッド・コージブスキーの「一般意味論」に影響を受けて書かれたと聞いて、それはどんな学説なのかとチラ見したことがある。
そのときの感想は、これは衒学的なもので、他に発展しようがない袋小路の思想だというものだった。
非AとはAの排他ではなくて、Aを部分集合として含む全体のことではないかと思ったけど、それって今にして思えば、世界観の根本的な違いだな。
いやいや、コージブスキーの「非A」とは、不定的な素を意味する「A」の否定ではなくて「非アリストテレス」の意だという。以前調べた覚えがあったのに、すっかり忘れていた。
字面が似ているものに非古典論理というものがあって、「古典論理(?)のいくつかの仮定を否定、または置き換えることにより構築された論理」だという。
論理の階層性を定義した述語論理ともまた違うらしい。どうも胡散臭いキワモノではという気がする。
非A(非アリストテレス)、非I(非同一性)、非E(非ユークリッド)と並べていくと、北伝仏教の中観派に通ずる思想であるように思える。
コージブスキーはそれらに触れたことは無かったのだろうか。
中観派の思想はこのなかのどれに近いのだろう。だんだんわけがわからなくなってきたw。
(2024.7.19)