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ネットの書き込みは世論とかけ離れているという話
先日、札幌高等裁判所により、同性婚を認めない規定は違憲であるという判決が下されました。これまで多くの地域の地方裁判所により同様の違憲判決は出ていましたが、高等裁判所による違憲判決はこれが初であり、これは非常に注目を集めた出来事となりました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135820887/picture_pc_4222593e5ffd046a63df09c7629a7a25.png?width=1200)
https://youtu.be/YKdP3MOIj28?si=thHaM3dVEpa4iT-s
さて、ANNnewsCHはこの出来事を伝えたニュース動画を投稿しましたが、この動画のコメント欄を見てみましょう。
以下の画像はデフォルトの設定で、表示されるコメントを上から順番に撮影したものです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135821059/picture_pc_637fdd97e3cc3485bc58481000ddd278.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135821058/picture_pc_61768ca803796f63d0e2df45c0d65e57.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135821057/picture_pc_f34690d346e4f7386d15101d24457f0c.png?width=1200)
このように、上位に表示されるコメントは全て今回の札幌高裁の違憲判決や同性婚に対して否定的なものです。高評価数もそれなりに獲得しています。
コメント欄の表示設定を『新しい順』に変更してみたところ、ちらほら今回の違憲判決や、同性婚に肯定的な意見、中立的な意見などかありましたが、やはり否定的なコメントの方が多く表示されます。
こう見ると、日本人の大多数は今回の違憲判決や同性婚に否定的であると見えてしまうかも知れません。しかし実際その認識は誤りです。
以下に昨年行われた同性婚に関して世論調査の例を2つ提示します。
【ケース①】
《実施組織》共同通信社
《実施時期》2023年の3月〜4月
《実施方法》18歳以上の男女3000人を対象に郵送方式で実施
《結果》同性婚については「認める方がよい」が71%に上り、「認めない方がよい」の26%を大きく上回った。
【ケース②】
《実施組織》NHK
《実施時期》2023年の4月7日〜4月9日
《実施方法》18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける方式
《結果》同性婚については「法的に認められるべきだと思う」が44%に上り、「法的に認められるべきではないと思う」の15%を大きく上回った。(どちらともいえない」は37%)
このように共同通信社やNHKが行った世論調査を見れば、日本人の多数は同性婚に関して肯定的であると言えるでしょう。
ではなぜ先ほど紹介したYouTubeのニュース動画のコメント欄では否定的なコメントが大多数となっているのでしょうか。
YouTubeのニュース系動画のコメント欄は今回のものに限らず、いわゆる"右翼的"なコメントが多く、"左翼的"なコメントは少ないです。
私が考えるに、「YouTubeのニュース動画にコメントを書き込む人」というのは日本人の中で限定的であり、この集団の年齢や思想などの属性に偏りがあるからです。
もちろん「世論調査に回答した人」という集団にも偏りがあるかもしれませんが、前者のそれよりは偏りは少ないと言えるでしょう。
YouTubeに限らずYahoo!ニュースのコメント欄をはじめとする多くのサービスにはユーザー層に偏りがあるわけです。
決してそれらを見て世論を誤解しないようにしましょう。