鳥も太ったら飛べなくなるの?
体重計が壊れたのをきっかけにもう2年以上体重を測っていない。
それでも見た目や、服を着た時の感覚などで大体の体重は把握できているつもりだ。
そしてそれはここ2年で確実に増えてきているはず。
原因は色々思い当たるが、差し当たって困っていることがいくつかある。
まず、疲れやすい。子供に付き合って遊ぶとちょっと走っただけですぐ休憩が必要になる。そして睡眠の質が悪くなった。寝入り、睡眠中、寝起き、どれも心地がよく感じない。
少しは体を動かそうと外に出ると、置物のように動かない愛猫が目に入る。
名はコウちゃんというが彼女もまた脂肪と引き換えにその俊敏さを失った者のうちだ。
我が家には犬もいる。こちらは9歳になるが、中々良いシェイプを保っている。
この子の好みはドライドッグフード<ドライキャットフード<魚<ウェットドッグフードなので、基本的に我が家の庭ではドライドッグフードがいつも皿に残っている。
これを狙って毎日鳩たちがたくさんやってくるのだが、犬も猫も気にしないようで、鳩たちからしたら食べ放題だ。
図々しく食べに来るがやはりそこは野生動物で、私が音をたてずに片腕をサッとあげるだけでも、皆瞬時に飛び去る。
こんなに毎日食べ放題食べてても太って動きが鈍くなったりはしないのだろうかと気になって調べてみたら、やはりあった。
食べ過ぎて飛べなくなってしまった鳥たちが見つかっていた。
まず、最初は2010年にオーストラリアで見つかった雌のワライカワセミ。
公園内でバーベキューのソーセージなどを与えられたようで、結果体重は平均より40%増しとなり、保護されたそう。
そしてお次は昨年2021年に報じられた、中東バーレーンのカモメたち。
こちらは住民の残飯を食べることが習慣化し、もはや海に餌を取りに行くこともなくなってしまって、ご飯を求めて住宅街を歩き回っているとのこと。
どちらも人間の食べ物を摂取し過ぎた結果、太って飛べなくなってしまったケースだ。
しかし、完全な野生環境で発見された肥鳥もいる。
それが2020年に保護された雌のコキンメフクロウだ。調べてみると極端な肥満という以外に異常は見当たらなかったらしい。
ペット用の餌などには反応せず、ネズミなど野生のフクロウの餌となるものに興味を示したことから野生環境で生息していたものだろうとみられた。
その年は暖冬でこのフクロウが見つかったエリアではネズミが多く繁殖していたことがわかり、食べ過ぎてしまったのではないかと考えられているんだとか。
野生環境においては、飢えとの戦いは珍しくないが、餌が豊富すぎるということもあるんだな。でも食べ過ぎて太ったことで動きが鈍れば、今度は自分が被食者側に回るというリスクが高まる。
もしかしたら太った野生動物たちはいち早く捕らわれてしまうため人目についていないだけで意外といるのかも知れない。
また、バーレーンのカモメたちのように生活圏を人間に近づけ過ぎた種の未来はどうなっていくのかも気になる。健康的でなくなることで縮小していくのか、もしくは、人間の食べ物に適応した体に進化していくこともあるかも知れない。
もっと言えば、現状生体ピラミッドの頂点にいる人間に依存することで種を繁栄させるような動物が出てくる可能性がないこともないような気もしてきた。
野良猫なども人間の残飯を糧としたりしているが、人には警戒心が強いことが多い。
もっと積極的に明らかに人にコビを売るような太鼓もち的なスタンスで、でもペットにまではならず人と関わることで食いぶちを確保する動物が現れたりはしないものだろうか。
玄関の前をウェルカムボードみたいに綺麗に飾り付けしてくれる鳥とか、ご飯をあげずにはいられないほどの可愛さで愛嬌を振りまいてくる小動物とか。
自然環境も大きく変化する中、人の自然に対する関わり方、動物との関係なんかもどう変化していくのだろうか。
とりあえず、2022年現在、ありがたいことに太っても社会から抹殺はされていない私は疲れにくい体と良い睡眠を取り戻すべくダイエットに取り掛かろうと思う。