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足の疲れ・転倒予防に!高齢者におすすめのふくらはぎ筋トレ法

「最近ふくらはぎが細くなってきた気がする」「少し歩きにくくなってきたかな」と悩んでいませんか?
ふくらはぎの筋肉は、歩く時、走る時、階段の上り下りをする時などに働く重要な筋肉です。

この記事では、理学療法士の筆者が、ふくらはぎを鍛えるための筋トレと、合わせて行った方がよいストレッチを紹介させていただきます。

無理なくコツコツ運動を続けて、健康的な体を手に入れましょう。


ふくらはぎの筋肉について


ふくらはぎには、腓腹筋ヒラメ筋と呼ばれる2つの筋肉があります。
腓腹筋とヒラメ筋を合わせて、下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と呼びます。
アキレス腱と繋がっている筋肉です。


ふくらはぎの筋肉の役割

ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋は足首を動かす筋肉で、つま先を下に向ける「底屈(ていくつ)」という動きを行います。

その他にも下記のような場面で働く筋肉です。

・立つ、歩くときのバランスを保つ
・歩行中に地面を蹴り出す
・走る
・ジャンプをする
・階段の上り下りをする

このように下腿三頭筋は、歩く・走るなど移動をするときや、バランスを取るときに関わる筋肉であり、非常に需要な筋肉です。


ふくらはぎは第2の心臓

ふくらはぎの筋肉は「第2の心臓」とも呼ばれます。
これは心臓から足に送られた血液を、ふくらはぎの筋肉が再び心臓に送り返すことが理由です。
ふくらはぎの筋肉はポンプのような働きしながら、足に送られた血液を心臓側に送り返しています。

ふくらはぎの筋肉が弱ってしまうと血行が悪くなり、足がむくむなどの症状が出ることがあります。


ふくらはぎの筋肉が衰えるとどうなる?


下腿三頭筋が弱ってしまうと、歩く時に地面を蹴り出す力が弱くなってしまうため、前に進むための推進力が減ってしまいます。
また、下腿三頭筋はバランスを保つ作用もあるので、筋力が衰えてしまうと転けてしまうリスクも高まってしまいます

「歩く時に前に蹴り出す力」や「姿勢のバランスを保つ力」を衰えさせないためにも、ふくらはぎの筋肉の運動を行うことが大切です。


ふくらはぎを鍛える効果とメリット


それでは、ふくらはぎを鍛える効果やメリットについて解説していきます。


転倒予防

ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋を鍛えることで転倒を予防することができます。
これは、下腿三頭筋が姿勢やバランスを保つ筋肉であることが理由です。
下腿三頭筋の中でも特にヒラメ筋は、身体のバランスを取ったり、歩くときに倒れないように支えたりする役割があります。
このヒラメ筋を鍛えることでバランスが取りやすくなり、転倒を予防することができます。


血液循環の促進・むくみ予防

ふくらはぎの筋肉を鍛える2つ目の効果として、血液循環の促進やむくみの予防ができることがあげられます。
先ほどお伝えしたように、下腿三頭筋は「第2の心臓」と呼ばれ、血液の循環にも関わっています。
心臓から足に送られた血液を心臓に送り返すポンプ機能の役割が低下してしまうと、全身の血行が悪くなり、むくみなどの原因になってしまいます。
ふくらはぎのトレーニングをすることで血液の流れがスムーズになり、むくみを予防することができます。


足が疲れにくくなる

ふくらはぎの筋肉を鍛えると、足が疲れにくくなります。
これは下腿三頭筋のトレーニングをすることで、血液の循環が促進され、疲労物質が留まりにくくなることが理由です。
筋トレやストレッチを行い、日頃から血液の循環が良い状態を維持しておくことが重要です。
老廃物が溜まりにくい状態を作っておくことで、疲れにくい身体を手に入れることができます。


ふくらはぎの太さをチェックしてみよう

ふくらはぎの太さを簡易的にチェックする方法として「指輪っかテスト」というものがあります。
指輪っかテストは、サルコペニア(加齢による筋肉量と筋力の低下)をチェックする際にも使われます。


【手順】
1. 両手の人差し指を親指をつけて輪っかを作る。
2. 利き足ではない方のふくらはぎの一番太いところを両手で囲む

ふくらはぎを両手で「囲めない」場合や「ちょうど囲める」場合は、筋肉量が十分である可能性が高いです。

「ふくらはぎと指の間に隙間ができる」場合は、筋肉量が少ない可能性があり、サルコペニアの危険度や発症リスクが高いことが示唆されます。


ふくらはぎの筋トレ&ストレッチ

それでは、ふくらはぎを鍛えるための筋トレと柔軟性を確保するためのストレッチを紹介します。
ここまで筋トレの必要性についてお伝えしてきましたが、ストレッチを行い下腿三頭筋の柔軟性を確保することで、より血液の循環を促すことができます。

最初のうちは無理をせず、できる範囲の回数から始めましょう。
週に2〜3回程度行うと効果的です。


カーフレイズ

最初に紹介するのは、カーフレイズと呼ばれる爪先立ちの運動です。
下腿三頭筋を構成する腓腹筋とヒラメ筋のどちらにも効果がある運動です。

【手順】
1. 腰幅くらいに足を開く
2. 踵を上げ、つま先立ちで立つ
3. 踵が上がりきったら、ゆっくりと踵を下ろす
4. 2と4を繰り返す

まずは10回くらいから始めて、余裕があれば徐々に回数を増やしていきましょう。


シッティングカーフレイズ


次は、座ってできるふくらはぎの運動の紹介です。
下腿三頭筋の中でも、ヒラメ筋をメインに鍛えることができます。
まずは、20回くらいから始めてみましょう。

【手順】
1. 浅めの位置に座り、踵をしっかり地面につける
2. 踵をゆっくりと上げる
3. ゆっくりと踵を下す
4. 2と3を繰り返す


20回やってみて、余裕がある場合は、下の画像のようにダンベルなどを膝の上に置いて、負荷量を調整しましょう。
ダンベルがない場合は、水を入れたペットボトルなどでも大丈夫です。


ふくらはぎのストレッチ


ふくらはぎのストレッチを行うことで、下腿三頭筋の柔軟性を向上させることができます。
ストレッチを行い、血液循環を促進しましょう。

【手順】
1. 立った姿勢から片足を前に出す
2. 後ろ脚の膝を伸ばし、踵を床につける
3. 後ろ脚の膝を伸ばし踵をつけたまま、前脚の膝をゆっくり曲げる
4. ふくらはぎが伸びるのを感じた場所で、15秒キープ

私が小学生の時もそうでしたが、昔はふくらはぎのストレッチを弾むように反動をつけて行うような指導がされていました。
しかし、筋肉を損傷する可能性があるため、弾むようなストレッチは現在は推奨されていません。
反動はつけずにゆっくりと筋肉を伸ばすイメージで行いましょう。

まとめ

下腿三頭筋は「歩く」「走る」「階段を上ったり降りたりする」ときなどに働く重要な筋肉です。

また、心臓から足に送られた血液を、再び心臓に送り返すポンプのような役割もあり「第2の心臓」と呼ばれています。

ふくらはぎの筋肉量を簡易的にチェックする方法として「指輪っか」テストがあり、指とふくらはぎとの間に隙間ができる場合は、筋肉量が少ない可能性があります。

下腿三頭筋の筋力トレーニングやストレッチを行い、いつまでも健康的に歩ける身体を手に入れましょう。

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