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拝啓、面接官のクソババアへ

この度はお忙しい中、面接の機会をいただきありがとうございました。

貴社を志望した動機は色々繕いましたが、本当は以下の一点です。

短期離職と空白期間で履歴書ガタガタだと書類選考なんて通過しないので。本当に通過しないのに結果出るまでが無駄に長いので。
やってられないからブラック臭しつつも書類選考なしの、貴社に応募いたしました。


履歴書を手渡しして、職務経歴書もいるって言うから渡して、ハロワの紹介状も渡して、
「どうぞ、お掛けになって」
って言われてから「失礼します」椅子に座って。

御ババアは渋い顔で履歴書を読んでくれましたね。

「アータこれは……」
スカルノ元婦人の様な喋り方で唸る御ババア。
初めて見る本物の社不(社会不適合者)のクソミソ職歴&学歴に度肝を抜かれている様子。

「この2年の空白期間はアータ、何をなさっていたの?」
「ボランティアをしてました」
偽りの無い真実だが、
「……そうなの、ふむ」
社不すぎて、その場しのぎの嘘の様な空気が漂い、

「その後、お勤めになった◯◯さんは、半年で辞めてらっしゃるけど、これは?」
「父の具合が悪くなり、面倒を見る為に辞めました」
これも偽りの無い真実だが、
「……ふむ」
やはり漂う胡散臭さ。

「その後も2年空白期間があるけど、アータ……」
「父の世話と父の体調が良くなってからは、ちょっと遊んでました!」
偽りの無い曇り無い眼(まなこ)
「……遊んでたってアータ、遊ぶにしてもお金はいるでしょう……これは……」

あのとき、御ババアはこちらを見ないで履歴書ばかり見ていましたね。だったら最初から職歴、学歴、経験不問と書かずに素直に書類選考すればいいのにと思います。

「次の◯◯さんも、1年で辞めてらっしゃるけども……」
「そこは◯◯と△△でダブルワークをしてまして、△△で社員登用していただけたので、◯◯は辞めました!」
真実だが、
「…………」
そこも社員登用から1年で辞めているので、もう何も信じられない気の毒な御ババア。社不の毒気に充てられて、ウンウン唸って、スリップダメージがでかい様子。

結局最後まで職務経歴書は読んでくれませんでしたね。なんのために必要だったのでしょうか。

気を取り直し会社の説明をし始める御ババア。
ご飯を奢ってもらったり、畑の野菜を貰うかわりに近所の奥様方の愚痴を聞く生活で培った傾聴力を遺憾無く発揮する社不。

適度な相槌と赤ちゃんの次に無邪気ともっぱら評判の笑顔に、だんだんと乗せられて口が留まる事を知らない時のなかで、いくつもの状態の御ババア。

ついに雇用条件の話から、働き始めの日、制服のサイズまで聞き取られ、

「こちら新しく入ってくれる方よアータ」

御ババアに付き添っていただきながら会社の見学と主要メンバーへの挨拶まわりまで済ませましたね。その後、会社の外までお見送していただき、

「おそらくは採用よアータ!制服のフィッティングに近い内にきて貰うから、なるべく早めに電話するわアータ!気を付けて帰るのよアータ!」

そう言ってくれた事、素直に嬉しかったです。







不採用でしたね。

他の幹部に学歴と経歴で止められたって、お忙しい中わざわざ電話をくれてありがとうございました。
貴社の益々の発展は願いませんし、心より経営悪化で傾く事をお祈りしてますが、きっと私の様な社会不適合を採用しない貴社は立派に発展し、今後ものさばるのでしょう。

末筆となりましたが、これに懲りたら、ちゃんと書類選考して、学歴、経歴やばい奴に変な希望を抱かせないでくださると幸いです。

対戦ありがとうございました。

あらあらかしこ。
社会不適合者より



私みたいにならないように、みんなは職歴大事にしてくれよな!
最後まで読んでくれてありがとう!


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