日常を見つめる / 2024年8月15日の日記(long ver.)
久しぶりに5時台に起きた。最近入れたアプリを開く。睡眠リサーチで捕まえたかわいいキャラクターたちは、私の睡眠時間で元気度が変わる。ここ数日はイベント続きで、あまり眠れていない。かわいいキャラクターたちがお昼から眠そうにしている様子が心苦しくて、昨日の夜は早めに布団に入った。今日は、元気度を回復してあげられた。よし、いい感じ。
今日は、起きてすぐにやりたいことがあった。朝、おから蒸しパンをつくるのがマイブーム。いつもは正方形に仕上がったパンに、縦にナイフを入れ、四等分にする。今日は思いつきで横から切り込んでみる。ヨーグルトとナッツをはさみ、サンドイッチ風にして頬張る。うん、おいしい。私って、天才かもしれない。
パソコンを開き、クローゼットで考えていたことを一気に文章へ形を変えていく。数日前に参加したトークイベントの余韻がまだ残っている。あのときの、発見を、学びを自分の一部に変えたい。
文章を書きあげると、どっと疲れる。うとうとしていたら、「おはよー」と目をこすりながら、パートナーが起きてきた。片手にルタオの紙袋をぶらさげて。ふふ、こんな出張帰りみたいな起き方してくる人、他にいないだろうな。明日の帰省土産用に買ったルタオのラングドシャ。暑い部屋に置き去りにならないよう、パートナーは昨日からルタオと共に過ごしている。私は冷蔵庫に入れておけばいい派なのだけど、そうしたくないらしい。家の中で大事にお菓子の紙袋をぶらさげている姿が、かわいい。
お昼は、賞味期限が切れてしまった大量の豆腐を使って、お好み焼きをつくることにした。しまった、卵が足りない。固まるか不安に思いながら焼いてみる。案の定、ひっくりかえすときにぼろぼろに崩れ、ただ焼いた何かに成り果てる。だけど、お皿に乗せてお好みソースをかけたら、味はお好み焼き以外の何ものでもなくて、ソースの偉大さとありがたみを噛みしめた。誰かは知らないけれど、すばらしいものをこの世に生み出してくれて、ありがとう。この感謝と尊敬の念がどうか、お好みソースを発明した人に届いてほしい。
おいしいお昼ごはんを食べたら眠たくなってきた。眠気覚ましに、スーパーまで散歩することにする。今日は、いい天気だ。青々とした空に、もくもくとした雲。ソフトクリームみたい。それにしても、暑くて溶けそう。
スイーツコーナーで『まるごとバナナ』を見つけたパートナーの目がきらきらし出す。「食べたことないんだよね」「ずっと気になってたの」「中身、どうなってるんだろう」少年のようなかわいいアピールをひととおり聞き終えてから、「買っちゃう?」と答えた。実は、パートナーが甘いものを食べたがることは織り込み済み。朝と昼の食事はかなり控えめにしておいた。高カロリーの受け入れ態勢は万全だ。
家に帰って、パートナーが二等分にしてくれた『まるごとバナナ』にかぶりつく。え、おいしい。バナナとホイップクリーム、スポンジケーキの甘さのバランスもしかり、それぞれの味が口の中で交差したときの化学反応が百点すぎる。至福の味って、こういうのだ。
幸福感が充電されたところで、ようやく仕事に取りかかる。すると突然、外から滝のような音が聞こえてきた。
雨だ。
それもかなり激しい。ゲリラ豪雨でも一風変わっていて、私を境に左は大荒れ、右は陽気な空模様。横から差し込む光が、次々と雨粒にぶつかって空をきらめかせていた。
なんて、きれいなんだろう。目を奪われているうちに、大きな虹が姿を現した。
急な大雨に驚いた鳥たちが、慌てて雨宿りしにくる。みんなで外の様子をうかがいながら、同じ時をゆっくり過ごす。
こういう時間、いいな。
気まぐれな夏空を眺めていられること。それを美しいと思えること。初めての景色に出会えること。生き物たちと触れ合えること。「きれいだね」と言い合える人が隣にいてくれること。
きっと、明日も明後日もそうであること。
いつかの8月15日は、それが当たり前じゃなかったんだよな。
空は恐怖に満ちていて、明日が来るかもわからない。一晩でも同じ食卓を囲み、語らった人が翌日の出陣で一瞬にして海の藻屑になり果てるなんて。どんな気持ちだったのだろう。
嫌だ。苦しい。やりきれない。
移りゆく空を美しいと思える日常、明日について考えられるひとときに感謝をして、私は今日とお別れする。今日もいい一日だったな。また、明日ね。大切なあなたが、そして私がハッピーに日常を過ごせますように。
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