味覚と聴覚、味と音、飲食と音楽。
明日も仕事なのですが、なかなか眠りにつけないので数年前から感じている独り言をつらつらとしたためてみることとします。
私は中学3年生からギターを始め、高校・大学と部活動やバンド活動を通じて音楽に触れ合ってきました。
余談ですが、私は昔から音楽や歌が非常に苦手で、特に音感に自信がありませんでした。
ですが不思議なもので、何年も楽器や音楽に触れていると微々たるものではありますが少しずつ音感が身に付いてくるものですね。
閑話休題
さて、話は戻りますが、楽器やバンド活動を始めて数年が経った大学生の頃。
幼い頃から両親の影響で居酒屋によく出向いていたこともあり、料理やお酒に趣味程度ではありますが非常に興味が湧いていました。
そしてとある時にこう感じました。
「お料理と音楽ってちょっと似てない…?」
例えば日本酒。
味を構成する要素は多岐にわたります。
旨味・甘味・酸味・苦味という味覚的要素から、ファクターとしてのアルコール度数・アミノ酸度・日本酒度、またあわせるお料理や使用されている酒米のポテンシャルと特徴、飲む人のその日の体調まで、ありとあらゆる要素によって飲んだ瞬間に感じる味わいは構成されています。
次に、音楽でいうギターを例に挙げます。
もちろんギター本体に使われている木材や弦のスペック、シールド、アンプ、エフェクター、箱(ライブハウス)の音響からプレーヤーのピッキングニュアンス等、こちらも本当に様々な要因によって音は変化します。
また、日本酒の味わいは各要素別の主張もさながら、全体のバランスが非常に大切です。
加えて、前述の通り、どんな料理に合わせて飲むかといった卓上の調和で味わいも変化します。
音楽やバンドにおいてもやはり、ギターの音作りにおけるハイ・ミッド・ロウのつまみや、アンサンブルでのバランスがジャンルや曲調との親和性をより高く強固なものに仕立て上げます。
このように、味覚と聴覚とはかなり類似する点が存在するのでは、というのが私個人の見解であり持論です。
そうなってくると、音作りにおける引き算もお料理そのものの調理過程やお酒とのマリアージュにおいて生かされるのでは、などと考えてしまいます。
全く別ジャンルだと思われたものの中にも、こうして共通項が見つかったり、また自分の中で新しい解釈が生まれることは新鮮味があって面白いものです。
是非お暇な時にでも、自分に置き換えて、そんな風なことを考えてみてはいかがでしょうか。