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身軽に生きる

貧乏がコンプレックスだった母は、子供二人を小学校から私立に行かせ、血統書付きの犬を溺愛していた。

私は、山口県で保護された野犬の男の子と、毎朝毎晩散歩に行く。
尻尾を振って、ご機嫌に歩く彼。いつもだいたい同じ道なのに、真剣に電信柱の根本を嗅ぎ、目を輝かせて鳩を見る。
すっぴんで、部屋着にダウンコートを羽織って見守る私。自分は自由だな、としみじみ思える時。

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