見出し画像

マウンティングお婆ちゃん

タイトルは、懐かしの「コンピューターおばあちゃん」より(年齢が…)。

「経済的にそれなりのゆとりがある、ずっと専業主婦だった60〜70代の女性」、自分の苦手な感じの人が多いことに気付いた。
もちろん、その条件に該当するものの、話しやすいとか、好感が持てる方もたくさんいるが、母と重なるような部分があると、もう無理。

半年ほど前、趣味のことで仲良くなった方の家に招かれた。二世帯住宅で、呼んでくれたご本人の母親と旦那さんと娘さんという家族構成で、父親はもう亡くなっているので、地方暮らしだった母親を東京に呼び寄せて一緒に暮らすようになり、もう10年以上ということだった。
招かれ、もてなされ、楽しい時間を過ごさせていただき、本当に申し訳ないのだが、その70代後半ぐらいのお母様とお会いして少し会話した後、帰ってからぐったりしてしまった。その後もしばらく気が滅入るような感覚があって、あれは何だったんだろうと考えていたのだが、最近になって思い当たった。

あの時の会話を思い出すと、なぜか不登校の子の話題になって、御婦人が言ったんだよね。
「お友達の孫が高校に行けなくなっちゃってね。でも、いいじゃないって言ったのよ。◯◯(友達の孫の名前)には、ダンスがあるじゃないって」
私の娘は全く不登校ではないが、その辺りから特に、嫌な気持ちがし出したんだ。

御婦人には、私の母ほどの底意地の悪さはないんだろうけど、なんだか全て上からだなと。いいじゃないも何も、あなたは疑いようもなくジャッジする側なんですねと。
本人達は自覚していないだろうが、貧困も障害も病気も事故も、全ては彼らの人生が上手くいっていると確認するためのスパイスみたいに感じてしまうからかな。

そういえば、犬友的な老婦人にも、何人かそういう人がいる。
自分に何の害も与えてこないにもかかわらず、喉に何かつかえたような重い感情が湧いてくる相手。
自信に満ちていて、非力な老婆なのに、自分は何らかの力を持っていると思っている圧を感じる。だが、その自信の裏打ちは、おそらく子供を育て上げ、孫が立派に(彼女が思う立派さ)育っていることなのだ。
私に専業主婦コンプレックスがあるから、それを感じてしまうのかもしれないけれど、なんでこんな風に自分の子供や孫の学歴なんかで自信を持てるんだろうなと思ってしまう。
仕事をしていた人からは、それをあんまり感じないんだよね。

最近、名誉御婦人と会ってしまった時は、
「あなた、何をされてる方なの?」
と、心の中のアッコさんにツッコませて虚無になるようにしている。
赤の他人なら、こうやってやり過ごせるけど、実の母がこういう系なのは、やっぱりつらいんだよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?