セカンドライフ
セカンドライフ。第二の主張。刺青だらけの占い師。根拠などない虚言師。この世の全員が等しく詐欺師。犬と猫だけが分かる世界。深読みが帰するところは平等に無。無から始まり、回り道をした先でまた無にたどり着く。解脱したパラレルも同じような管の中。有と無、陰と陽、輪廻転生、予定調和、運命論、シュミレーテッドリアリティ、世界五分前仮説、終末論、個人的な死生観。俺が死んで、世界のみんなが死んだ。この世界もろとも一度は終わった。でも、目が覚める度に思う。目が覚めるということは、五体満足であろうがそうでなかろうが、結局は生き延びた世界線しか認知はできない。きっと死にきった世界線があっても、認知の範囲では生きた場合しか分からない。きっとパラレルの世界では、誰かが悲しみ、誰かが喜び、そしてほとんどの人が何も変わらないままだろう。兎にも角にも、生きた世界線にしか繋がらないのなら、自殺なんて何度やっても確実に失敗すると言える。個人的な認知の観点から言えば、絶対に成功させてもらえない。だから、もう無駄なことはやめよう。生きてて良いはずもなければ、死ねもしない。老衰でだって死ねやしない。生まれながらにして永遠の生命を受け取ってしまった不運でも恨みながら、朧気な記憶のまま珈琲でも飲んでろよ。睡眠と排泄だけが唯一の幸せな本能で、それ以外は何も信用できないんだから。