イーター計画
世界では、毎日のようにEVに関する話題が出ています。
米テスラを始め、中国、欧州、韓国、そして日本から新製品の話題が毎日のように発信されています。
そんな中、今後、世界の電力をどのように賄っていくのか、という点についても、常に議論がなされています。
脱炭素化社会に向けて、化石燃料は、今後減らしていくしかありません。そこで、完成すれば、多くの電力問題を解決できるとされている、イーター計画の現在を調べてみました。
イーター計画
イーター計画とは、平和目的のための核融合エネルギーの実証計画で、米、露、中、韓、印、欧州、日本の7か国による超大型の国際プロジェクトです。
1985年の米ソ首脳会議を経て、開始されました。
海中にある物質をもとに、核融合エネルギーを起こし、安全で大きなエネルギーを得る事を目標としています。
現時点で、2050年頃の完成と言われています。
燃料
海中にある重水素と三重水素を原料とし、核融合を起こします。
その為、原料は無尽蔵に取得できるとされています。
なお、使用済み燃料は、原子力発電と同じく、一定期間は放射性を帯びた状態になります。
ただし、数万年かかる原子力発電と異なり、20年程度で放射性は収まる為、管理もしやすいとされています。
安全性
仕組み的に安全と言われています。
原子力発電は停止させるのに制御が必要、に対し、核融合は発生に制御が必要であり、何か異常が起きれば、自然的に停止する、という特徴があります。
また、現時点で軍事用に転用されにくい技術、とされています。
技術的課題
素晴らしい仕組みの核融合ですが、完成には多くの課題解決が必要とされています。
特に難しいとされているのが、超電導技術の確立と言われています。
核融合の為には、原子核を一定範囲に閉じ込めて、1億度を超える超高温を維持する必要があり、その技術に超電導技術が考えられています。
しかし、超電導状態を保つには、マイナス269度まで冷やした液体ヘリウムが必要ですが、壁を隔てた横では1億度以上の温度が必要な為、両方の
条件を維持することが難しい、とされています。
また、量産化を考えれば、更に多くの技術が必要と推測されます。
今後
日本からも、三菱重工がコイルを納品するなど、今後の展開が期待されています。
とても楽しみな取り組みです。
参考サイト