【湖南市選挙解説21】ちょっと留守をしている間に
東京を弾丸で往復してきました。行く前に、明日からは雨なので街宣活動は今日一日が大事だと指摘しておきましたが、各陣営ともしっかりと訴えができたでしょうか。
20時過ぎに三雲駅に降り立ちましたが、誰もいませんでした。まあ、小雨模様ではありましたが、せっかくの駅立ちの時間帯ですので、寸暇を惜しんで帰宅路にある有権者のみなさんにあいさつ活動を展開されるとよいかと思います。
各陣営の今後の日程で判明しているものは、以下のようになっています。
明日6日(木)19時から甲西文化ホールで「総決起集会」 塚本しげき候補陣営
明後日7日(金)19時から甲西文化ホールで「こだわりの個人演説会」 すがぬま利紀(菅沼 利紀)候補陣営
明々後日8日(土) 11時30分から平和堂甲西店前で「日本維新の会代表街頭演説会」 柴田 栄一候補陣営
藤川としき候補陣営はすでに2日(日)19時から甲西文化ホールで「個人演説会」を開催済みです。
コロナ前の選挙の常識では、毎晩毎晩、各地域の集会施設をお借りして、一晩に3~4ヶ所、細かく個人演説会を開催していたものですが、コロナを受けて各陣営ともそうした集会を持たずに、一発勝負をかけているようです。
一番近いイベントである明日の塚本陣営の「総決起集会」は400席以上ある甲西文化ホールで開催されますが、これは明らかに同じ会場で開催して聴衆の人数が少なかった藤川陣営への当てつけです。
藤川陣営の個人演説会に参加した生田邦夫市長をトップのゲストに呼んでいるのもその証ですし、藤川候補を擁立した自民党支部長である生田市長を足止めしてあわよくば生田票を取り込もうという戦略であるといえます。
しかし、ここに来て塚本陣営でも400席以上ある甲西文化ホールをいっぱいにできるだけの人数が集められるかについて暗雲が立ち込めてきました。労働組合の「動員」だけでは無理ですが、地域に浸透できていなければ参加者の上乗せができないからです。
それを後押しするのが、一昨日、塚本候補が勇気をいただいたという良い知らせの目玉の隠し玉なのでしょうが、今に至ってもその内容が公表されず、人集めに貢献することができない状況になっています。
しかも、これまでのセオリーによれば順調に集まってきたであろう経済関係者に対して参加にブレーキがかかる可能性もあり、予断を許しません。私の選挙の時にも急に入院したり用事ができたと言いながら、水面下では嫌がらせで「あんなやつのところに行くな」と電話で何度もストップをかけらたことがあります。そういう土壌なのです。塚本陣営ではそういう動きに気をつけておく必要があります。
さらに、立憲民主党の徳永久志代議士、嘉田由紀子参院議員、連合会長に加えて自民党支部長である生田市長が呼ばれているのです。いったい誰がそんな支離滅裂な演説会にわざわざ自分の時間を割きたいと思うのでしょうか。
そういえば、生田市長は国や県とのパイプがあると主張して市長になりましたが、2年半経っても副市長の受け手がないことで、パイプが詰まっていることを証明してしまっています。
さて、実はここで問題が見つかりました。
京都新聞の調査報道「政治とカネ」が気になって、湖南市選挙区で立候補している4人の候補者の政治資金について調べてみたのです。昨年から滋賀県選挙管理委員会がようやく報告書類のネット公開を始めたので、スマホでも調べることができるようになりました。
すると、すがぬま候補、柴田候補、藤川候補には特に気になるところはなかったのですが、塚本候補については少し引っかかるところがありました。
今、公表されているのは令和3年分の政治資金や政務活動費についての報告です。
まずは資金管理団体「チームこなん」(代表塚本茂樹)の政治資金収支報告書を見たところ、高島市選挙区の清水鉄次県議から令和3年7月20日に50万円の寄附があったことが報告されていました。
そして、そこから10日後の令和3年7月30日に政治団体「塚本しげきと湖南の未来を創る会」(「チームこなん」と同住所、代表谷康彦)へ同額の50万円が寄附として支出されていました。「創る会」はいわゆる後援会です。そして、前年度繰越金と50万円を合わせた収入から人件費36万円と事務所費46万3320円が支出されたとしていました。
一方、塚本茂樹県議の令和3年度政務活動費報告書を確認してみると、事務所借上費46万3320円、駐車場借上費3万5460円、事務職員雇用費71万4000円の支出が計上されています(これらは政党支部を兼ねているので半額だけの計上とされています)。
政務活動費から出ている事務所費と人件費は日常の政治活動に使用している事務所と事務員人件費なのでしょうが、そうすると「創る会」の事務所費と人件費がどこに充てられたのかという疑問が生じたのです。
しかも、その原資である50万円の寄附は塚本県議が所属する滋賀県議会会派の「チームしが」とは異なる「さざなみ倶楽部」に属する清水鉄次県議からのものなので、とりわけ不思議に感じた次第でした。
この辺りは、領収書の添付まで義務づけられていない滋賀県選管の公表方法の限界なのですが、選挙公報と同じようにネットで簡単に確認することができますので、こういうところもていねいに説明した方がよいでしょう。
塚本候補は、Facebookで23時に今日一日の行動を報告しましたが、「あとがとう」からは動揺が伝わってきます。
《選挙戦6日目、今日は事務所前、にごり池交差点の辻立ちからスタート。三雲から石部方面を街宣しました。とくなが 久志衆議院議員が応援に入ってくれました。あとがとうございました。残り3日間全力で走り抜けます。/明日の夜は総決起集会、みなさまのご参加をお待ちしております》
すがぬま候補は、ついに生田市長が事務所に来訪したとSNSで報告しました。以前、すがぬま事務所に生田市長の姿が見Tられたと報じましたが、目撃したという報告者の誤りでした。お詫びして訂正します。生田市長は自民党公認候補のところに来たということで、明日はどういう考え方で立憲民主党の大決起集会にも参加できるのか不思議です。もしかしたら自分で擁立した無所属新人を見限ったのでしょうか。とにかく定数2に3人を応援するという算数が破綻しているのでどうなのかとは思います。
また、すがぬま候補は、選挙はがきが重複や宛て名に誤りがないかどうかを心配し、謝罪をしていました。
柴田候補は、日本維新の会の馬場代表が最終日の昼に湖南市入りすることを報告するとともに、夜になって雨が降ってきたことから「それならば、柴田栄一事務所前で、自身に照明を当てての辻立ち」という手法を新たに編み出していました。
そして、「今回の選挙で皆様に向けて特に訴えたい事を再確認」しています。
《❶政治のしがらみ払拭 ❷16年間無投票の是非 ❸このままでいいのか湖南市 それとも一歩前へ進めるのか 湖南市民の皆様に真剣に、今のままでいいのか考えてもらいたいです。湖南市、『今のままでいい。。』のか、『それとも一歩進める!』のか。日本維新の会 柴田栄一は、元気な街だった湖南市を取り戻すために、そして一歩二歩と前へ進めるために全力で頑張ります。皆様と一緒に、私たちのまち、湖南市を、『誇れるふるさと、夢が叶えられる湖南市、ワクワクできる湖南市』にしましょう。》
そういえば、柴田候補が退路を断って出馬を決意したFacebookの投稿に、生田市長と奥村展三元民主党代議士は、示し合わせたように「残念です」と嫌がらせの書き込みをしていました。柴田候補はそういう土壌に我慢がならなかったのでしょう。
そして、藤川候補は、藤川みゆき市議が選挙カーに同乗し、「手を振りたいからゆっくり選挙カーを走らせて」というような有権者の声にもていねいに対応していました。藤川市議もInstagramで「政治のあり方を根本から変えたい。組織同士の陣取り合戦をする選挙はもうおしまい!」と主張しました。確かに生田市長が3陣営を股にかけているしわ寄せが、最も支えられるべき陣営に集まっていることは大きな問題でしょう。何しろ議席は2しかないのですから。
藤川候補は、夜には市PTA連絡協議会の引継ぎをこなし、明日に向けての英気を養ったようです。今年度は事務局を担当し、現場主義を貫くという決意を新たにしていました。
明日からはいよいよ終盤戦の3日間が始まります。各陣営とも疲れが出てくる時期でもありますし、低気圧が通過しますので、体調管理には十分に気を付けながら、最後の最後まで全力を尽くして頑張ってください。
(2023年4月5日記)