【湖南市選挙解説⑳】何と間の悪い
滋賀県議会議員選挙湖南市選挙区では市民不在の異次元の野合が進行中です。これまで談合で無投票当選を繰り返してきた2人が対立政党の枠を越えてがっちりと手を結びました。
昨晩、立憲民主党公認現職の塚本しげき候補は、総決起集会のお知らせをアップしました。
《4月6日(木)19時~甲西文化ホールにて、塚本しげき総決起集会を開催させていただきます。皆さまのお越しをお待ちしております》
しかし、そこに並んだゲストが驚きなのです。
生田邦夫 湖南市長(自由民主党甲西支部長)
徳永久志 衆議院議員(立憲民主党)
嘉田由紀子 参議院議員(チームしがの生みの親)
白木宏司 連合滋賀会長
別に自由民主党公認現職のすがぬま利紀(菅沼 利紀)候補が厳しい選挙を戦っていながら、自民党支部長が立憲民主党やチームしがの国会議員と並んで立憲民主党公認現職の総決起大会にゲストとして出席し、その当選を目指して応援演説をする。まさに前代未聞です。
いや、昨日は、佐賀県で立憲民主党の大串博志選挙対策委員長が自民党の県議選候補者に「必勝」為書きや無投票当選の祝電を送り、「ルール違反だ」「反党行為だ」と批判されてはいます。それでも無投票のところに限ると配慮しているのですが、湖南市では自民党現職の対抗馬の立憲民主党のところに自民党支部長が応援に行くという異次元っぷりなのです。
立憲民主党の閣僚経験者は大串選対委員長の行為を「責任は厳しく問われなければならない」と怒っているようなのですが、とくなが 久志代議士は自民党が連合を取り込もうとしているなかで自民党支部長を呼ぶ立憲民主党としての反党行為に目を瞑っているのでしょうか。
そういえば、昨日、市民とお話ししていると「徳永はんは今度2区やさかい、湖南市にもう関心あらへんのや。ワシはもう自民党や」「奥展さんの手前、徳永さんを応援したんやけど、私はずっと維新やってん」という厳しい声を伺ったのもそういうことなのかもしれません(マヂですよ。何なら徳永代議士に発言者を紹介できますからね)。
生田市長は、昨日の定例記者会見で自分を市長にしてもらった恩義があり、それを塚本県議に返さないといけないと語ったという情報が届きましたが、そこには党員や市民の姿はまったくありません。そういえば、新型コロナウイルスが猛威を奮い、市民の生命も生活も事業者の商売も厳しい状況で、まさに市長として私が不眠不休で陣頭指揮を執っていたときに、県と連携しようと塚本県議の事務所を訪問すると机の上に私に対する批判文書が山のように積まれていて、翌日からせっせと新聞折込みをしていたことを思い出しました。そういう恩義です。
当時は県内どころか全国に先駆けて矢継ぎ早に対策を打っていたので、連合滋賀の地域のみなさんからは、それはもう感謝の言葉しかありませんでしたが、その足を引っ張って妨害した張本人たちと一緒に連合滋賀の会長が並ばされるということは、柿迫博前会長の時代であれば考えられないことだったでしょう。おそらく柿迫前会長を引き継いだ白木会長はこういう事情を聞かされていないのではないでしょうか。
そして、応援弁士に嘉田由紀子参院議員が駆けつけるということなのですが、驚きなのは、そのコメントです。
《6日、午前中は参議院国土交通委員会で、流域治水関係の質問、それを終えて新幹線、草津線乗り継いで、駆けつけることができそうです!最後の最後まで、訴え続けましょう!!》
新幹線!!
栗東市に新幹線(仮称)南びわこ駅があれば、もう10年も前に開業して周囲は地方創生の波に乗って繁栄しており、東京から湖南市までもっと早く応援に駆け付けられたでしょうに。本人は「新幹線、草津線乗り継いで」としていますが、一度京都駅まで行ってから、琵琶湖線、草津線を乗り継いで湖南市まで来るのに、意図的に都合の悪い琵琶湖線を除いているのでしょう。
そして、公約した凍結ではなく、契約を破棄してまで無理やり(仮称)南びわこ駅を中止されたお隣の栗東市では、自民党の田中英樹候補が厳しい戦いを展開しているなかで、歴代の國松正一、野村昌弘両元市長も含めて、現職の竹村健市長が民主党系の候補者の応援演説に入るなどありえない、非常識な反党行為になります。
それでも自民党支部長である市長を何が何でもゲストとして招き、応援演説をしてもらわなければならないのは、それほど追い込まれているということなのでしょうか。しかし、そこにまあ、なんと間が悪いことに、今朝の京都新聞に湖南市長選挙に関わる記事が掲載されていました。
「湖南市長 収支報告書問題」「責任の取り方検討」「具体的な時期は示さず」と題した「政治とカネ」についての調査報道です。
昨日の生田市長の定例記者会見で、2年前の新型コロナウイルス感染症で市民が大変だった時に、塚本県議と生田県議が「Changeこなん」をつくり生田市長が無投票当選した湖南市長選挙での政治資金を巡る問題で、生田市長が「私の責任は重大だと感じている。責任の取り方を相談、検討している」と語ったというのです。
さすがは、県議選の前には「じっとしとこうな」と示し合わせて静かにし、無投票を繰り返してきてお互いの腹の内もよくわかりあっている2人であり、政治資金を巡る問題で責任を取ると言っても「具体的な内容や時期は示さなかった」自民党支部長である市長をゲストの一番上に掲載する立憲民主党公認現職の候補者による総決起大会に「動員」される労働組合員のみなさんには同情の心しか浮かんできません。
8時から塚本候補の選挙カーから街宣のアナウンスが聴こえてきました。岩根中央の三叉路には立憲民主党の街宣カーが陣取り、選挙カーがいなくなっても他陣営に場所は渡さないという姿勢のようですが、公共の場所をいつまでも占拠し続けるのではなく、幅広い有権者に明日の総決起集会のお知らせをして回ることが重要でしょう。
今朝の新聞折込みには自由民主党公認のすがぬま候補と日本維新の会公認の柴田 栄一候補の選挙ビラが折り込まれていました。日本維新の会の知名度が浸透していないだけに、このタイミングでの折り込みは結構なインパクトになるのではないでしょうか。
東京行きの新幹線に乗るべく京都駅に向かう途中(何度も言うようですが(仮称)南びわこ駅があれば、京都府まで行かなくても滋賀県内で新幹線に乗れたのです。選挙対策でそれに賛成した政治家が「滋賀のために」という二枚舌にはホトホト感心しています)、地元の区長さんと一緒になりましたが、地域からの見方でも、やはり何もしてこなかった生田、塚本両県議会議員体制には厳しいなと痛感しました。行政事情を知っている地域リーダーの口コミほど強力なものはないのです。
そういうなかで、すがぬま候補は、昨夕の投稿で「うれしいお知らせ」と題して、次のように投稿していました。
《下田区長と共に現地調査した慶圓寺のり面。本日測量入りました。危険のり面の改修となります、これもひとつの成果(^-^)g》
私が市長のときに県議会議員がこれほど動いてくれたことはありませんでした。県議会議員といえば、国政選挙のときに弁士に立つくらいなもので市長室にも寄り付きませんでしたが、それで何か仕事ができたのでしょうか?すがぬま県議は着実に仕事を進めてくれているようです。
柴田候補は、昨晩、次のように投稿しています。
《日に日に感じる、維新グリーンの輪🟩が広がっていることを。。沢山の方に声をかけられる。明らかに増え続けている。😊友達も初めましての人も維新グリーンの話で盛り上がる。🟩目に入ってくる様々なグリーンが維新グリーンに見えてくるから面白い。》
明日、明後日のミニ集会の募集も続けているようですが、辻立ちで手を振っていればよいというだけでなく、直接知らない有権者とも触れ合おうという姿勢は新人ならではのものでしょう。
無所属新人の藤川としき候補は、「肌荒れと乾燥がひどい。見かねて嫁さんがパックを買ってきてくれました」と投稿していますが、確かに昨日お出会いしたときにもそれは感じていました。
Instagramにはパックの商品写真が載っていましたが、ここはオッサンがパックして気持ちよく目を閉じているエモーショナルな写真を載せた方が親しみが湧いて拡散されたのではないかと思います。今晩にでも試してみてください。
また、大谷交差点では今朝も藤川陣営があいさつ運動の辻立ちをしていたとの報告がありました。塚本候補の地元である大谷区に対する包囲網はかなり強固なものとなりつつあるようです。
塚本候補は一昨日の投稿で「今日は、良い知らせもあり勇気をいただきました😊」としていたように、総決起集会での目玉があるようです。しかし、今のところその発表もなく「動員」を続けても、有権者にどれだけ訴求力を発揮できるかは難しいところでしょう。
そういえば「部分動員」と言いながら大規模動員をしていた権威主義国家がありましたが、連合議員団の奧村展三元代議士も動員されるのでしょうか?それともいつものように布団を被っておいて、自分の選挙では世話になっておいても負け選挙には水面下で隠れて足を引っ張るのでしょうか。
塚本候補の選挙ビラが折り込まれないので事務所に行ってもらってきたという有権者の方から写真による情報提供もいただきました。
その塚本候補の総決起集会では自民党支部長の生田市長が立憲民主党候補の当選を目指して応援演説をする予定ですが、生田市長は昨日の定例記者会見で「生田を処分しろという声はない」とうそぶいたそうです。一市民からの目線では、すがぬま候補を応援している真面目な自民党員のみなさんや自民党滋賀県連会長の大岡 敏孝代議士はなかなかものすごい支部長を担いで大変だなと思います。
さて、中盤戦も本日限りです。終盤に差し掛かる明日からは雨の予報ですので、戸外を歩いている有権者のみなさんに訴えかけるのは本日までとなりそうです。各陣営とも頑張っていただきたいと思います。
(2023年4月5日記)