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湖南市選挙解説・秋の陣(その5)出馬への経緯

 昨日、湖南市長選挙への出馬会見をしました。出馬決意自体は日曜日の湖南市制施行20周年式典以降のことでしたので、バタバタと開いた会見でした。

 もともと、『首長マガジン』を全国の知事と市区町村長に届ける活動をしていたので、湖南市政については気にはなっていたものの、深いところまでチェックしていたわけではありませんでした。

 ところが、4月22日に湖南市を選挙区とする自民党の菅沼利紀県議からお誘いを受け、維新の柴田栄一県議も呼び出されて、二人から湖南市長選挙に出馬してほしいと懇請されたのが発端だったと思います(初披露)。

この日の出馬要請は正面から断った(2024/4/22)

 そういえば、4年前に市長を辞める決意を市議会で表明したあと、辞めないでほしいと一緒に市長室へ説得に来たのは、日本共産党の立入善治市議と公明党の桑原田美知子市議でした。ほとほと超党派で説得されることが多いですね。

 市役所の組織が前市長と現市長で指揮系統ができると混乱すると思い、この4年間、市役所には引き継ぎと個人認証の書き換えでしか訪問したことはありません。なので市政が抱える問題点についてはあまり深掘りしてきませんでした。

 しかし、致命的だと思ったのは、職員が市民の遺体を市営の火葬場で撮影して知人とSNSで共有した事件の発表を意図的に隠蔽したことでした。私が市長をしていた際には行政情報は市民の共有財産なのでできる限り公開してきました。

 それを役所にとって不利な情報だからといって、組織ぐるみで隠蔽するというのは大きな問題です。なぜなら市民の個人情報も税金も市役所が預かっているからです。このままでは、個人情報を漏洩しても都合が悪ければ隠すかもしれませんし、悪用することも考えられます。

 やはり、市役所の体質が「隠蔽第一」に変質してしまっていることは、元の長としてとても悲しいことですし、憐れむところです。辞めるときには、次の市政は酷くなるのでそれぞれが市民の方を向いて仕事をしてほしいとお願いしておきましたが、隠蔽に関与するとは本当に情けない気持ちで一杯です。

 兵庫県庁では公益通報がありましたが、湖南市役所でも組織的な隠蔽を内部から自浄する動きがあってほしかったと思います。本当に心ある職員がポロポロと辞めて行っているのを聞くにつれ、市役所の将来がとても心配になっています。私の出馬会見を見て、何人もの元職員からメールがありました。

 こうした状況を市議会は何の批判もなく受け入れていました。市民の情報が隠蔽されてもです。ある人はそれを「湖南市大政翼賛体制」と称しました。市民のいのちとくらしを大事にしますと主張しても、情報隠蔽に荷担するようでは、とても守れるものではありません。議員個人として良心の呵責がないのであればそれまでですが、議会が何の指摘も反応もしなかったことも大きな衝撃でした。

 ネットには工作員の人がいるので、湖南市の裏事情を匿名でよく自白してくれていますが、そういうところにない情報として、2021年11月27日の生田邦夫市長と私のツーショットが残っています。私はどうでもよかったのですが、生田市長から懇願されて仕方なく会食しました。生田市長を支えてきた野合派にとっては、大将が内緒で敵に跪くという驚くべき状況です(初披露)。

この日は小雨模様でした(2021/11/27)

 入札直前まで行っていた市役所庁舎の耐震改築事業を止めたのは生田市長自身の判断です。私はそのとき明確に判断の責任は求められると伝えました。その後、自ら取り止めて、無駄な耐震調査をして、やはり耐震改築では無理で建て替えなければならないとなったときに、市民の負担は膨れ上がってしまっていました。議会も賛成しています。この責任は誰が取るのでしょうか。誰か取りますか?

 さらに、あれほど大騒ぎした「小規模多機能自治」なる怪しげな構想で、石部図書館を廃止しようとしたことに、議会は揃って反対しました。怪しげというのは、「小規模多機能自治」とは本来小学校区の大きさを対象とするものであり、なぜ中学校区なのかといえばそこに利益誘導が想定されます。廃止を先導したのは生田市長と了承したのは松浦加代子教育長ですが、廃止に反対した議員は自らの行動と判断の経過を市民に説明できたのでしょうか。政治家の値打ちは説明責任を果たすことです。単なる説明ではなく挙証立証責任が求められます。

 いずれも議会が「湖南市大政翼賛会」となり、議員一人ひとりが市民を代弁するのではなく、長いものに巻かれて何も口を開かないという、議員の役割を果たしていないところに大きな問題があります。湖南市議会でもこれまで数々の不祥事が報じられてきましたが、例えば公明党や共産党の議員は同じように見られていても大丈夫なのでしょうか。余りよくない感じがするので不思議に思います。

 こうした政治土壌が形作られてきたのは、奥村展三氏を参議院議員に当選させるために張り巡らされた組織団体地域の縦横斜めの濃密な人的ネットワークにその淵源が求められます。あらゆる組織団体地域がそのことを目的にピラミッドになったのでした。総動員を重ねるうちに異様で重苦しい空気が支配するようになりました。私も多忙な現役の時に初めて家族旅行をした際、聞かされていない事務所開きに戻って来いと怒鳴られ、戻ると青年部につるし上げられた記憶があります(初披露)。政界だけでなく経済界も雁字搦めにされています。

 奥村氏が先週木曜日のロータリークラブの会合で「ワシはもう年やさかいに政治のことは全くわからん」と言っていたのでもう関与していないのと違うかという地域の人がいました。実際には自民と旧民主の二股をかけて陰でコントロールしているのですが。その結果が、明日の記者会見で明らかになるでしょうし、明後日のロータリークラブでお披露目があるかもしれません。

 奥村氏は自民党からさきがけに移り、民主党の代議士でしたが、そこに自民党や公明党、共産党まで一緒になろうとしているのが今回の湖南市長選挙なのです。菅沼県議は私に市長選の選対本部長をやらせてほしいとまで言っていました(初披露)。訳が分かりません。総選挙と同日選なので、それで各政党は信義を果たせるのでしょうか。党員や支持者に説明ができるのであればよいのですが。私はこうしたドロドロした政治土壌をなくしていきたいと心底思いました。この状況を知った瞬間、嫁様によれば「表情が変わった」と言います。

出馬表明を伝える京都新聞(2024/10/8)

 せっかく、湖南市政を見ないようにして諸国を漫遊し、『首長マガジン』を作って、全国の知事、市区町村長に届けてきたのに、見えてしまい、自覚してしまったが故の出馬でした。市制施行20周年記念式典では多くの市民のみなさんからの心の声が漏れ届きました。しかし、本当にドロドロは出てくるのだろうか。出てこなければよいですし、そのときには藤川みゆきさんとの選択肢になります。

 連合議員団なる労働者の代表とは到底言えない市議会議員が暗躍したり、自民と旧民主が野合するような状況を、政治家のみなさんは衆議院議員総選挙の最中に有権者に説明できますか。湖南市民のみなさんは、せっかくの総選挙で投票率が上がるのですから、ぜひともそれを問うていただき、自らの責任でこのまちの未来を選択していただければと思います。みなさん自身が自覚者となってください。
 (※ 冒頭写真は4年前のチェンジこなん)

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