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湖南市選挙解説・秋の陣(その3)

 10月20日告示、27日投開票とされる湖南市長選挙は、今のところ藤川みゆき元市議の出馬意向が6月19日の京都新聞により報じられ、藤川元市議は7月22日に議員辞職しています。藤川元市議は「みんなで湖南市を変えよう」「優しい政治がしたい」をキャッチフレーズに、昨年4月の県議選での蜜月も夢幻であったかのように「藤川みゆきの乱」と自ら称し、現職に対して敵対的挑戦をしました。
 それは、9月20日の立候補予定者説明会に出席したのが自陣営以外に「①現職(76歳)の陣営、②望月卓市議(78歳)の後援会の方、③元共産党市議の方(80歳)」と現職を含めていずれも高齢であることを批判的に表現して、「私は親子ほど歳の離れた方々と戦うことになるんでしょうか」と決意を新たにしたことからも思いの強さがわかります。
 それでは、一方の現職はどうかというと、内容をぼかして5月31日に自らではなく職員に発表させた職員不祥事が、長日月にわたる調査報道の結果として8月11日の京都新聞に、職員が市民の遺体を撮影してLINEで共有したという驚愕な事実を矮小化かつ隠蔽したと報じられた生田邦夫市長は、9月20日の湖南市議会最終日にもあいさつで「熟慮中」と述べ、記者の囲み取材にも「ノーコメント」と答えました。
 しかし、Wi-Fiも飛ばず一切のSNSから浄化された恐山の賽の河原で一晩虚心坦懐に、全てを腐蝕する硫黄ガスにむせながら湖南市の諸行無常を振り返っていると、天の声が降りてきました。これはもしかしたら4年前の野合が再び鎌首をもたげているに違いないと。
 そして、それは事実でした。まずは、自民党内でのクーデターである「甲西支部の変」を鎮圧したうえで、自らは身体の自由が思うようにならないため、対藤川ヒト型決戦兵器として特別職を投入しようとしていたのです。
 しかも、その投入計画があまりにも極秘裏に進められたため逆に不用な「甲西支部の変」を引き起こしてしまったことも明らかになりました。それも本会議場で「熟慮中」と韜晦したその前の日までに押さえ込み、旧民主党で湖南市内を自民党と二分して市民の間に分断を持ち込んだ奥村展三元代議士と野合をしているとなれば、藤川元市議の驚きも尋常ではないはずです。
 なにせ、4年前は「谷畑か」「反谷畑か」の分断野合の一味だったのに、いつの間にか「藤川か」「反藤川か」の野合が形成されてつまはじきにされていたのですから。それも「①現職(76歳)の陣営」と「③元共産党市議の方(80歳)」と揶揄していた方と同い年80歳の元旧民主党代議士の大野合なのです。76歳現職には行かなかった出馬あいさつに行った先の80歳が、実は76歳現職と野合していたという複雑怪奇です。大人のいじめはこうやって見えないところで増殖していくのです。
 国政を通じて有権者に分断を強いている自民と旧民主が、利権なのか名誉なのかはわかりませんが湖南市では野合する。しかも、総裁選、代表選をして天下分け目の大いくさが始まろうとしているときに、また性懲りもなく反党行為の野合を目論んでいるのです。
 4年前には無所属と誤魔化した「擬装離党」で旧民主党系のチームしがと連合滋賀は騙されました。その後、その首謀者のひとりであった塚本茂樹県議は、昨年4月の統一地方選挙で有権者の信用を失って落選しました。
 まあ、私はこうした馬鹿げた野合に付き合うつもりがなく、有権者のみなさんによく見ていただこうと4年前は身を退いたのですが、野合老人たちはまたぞろ同じように市民有権者を馬鹿にした2匹目の野合ドジョウを捕まえようとしているようです(野田佳彦立憲民主党代表のことではありません)。
 自覚者は責任者であるべきなのですが、責任を担える能力があるかどうかはまた別次元の話となります。野合勢力に担がれる特別職の方は果たして市政を責任をもって担うことができるのかに興味があります。
 市長職は市政の隅から隅まであらゆることに精通しながら、起こり続ける自治体経営上の判断を適時的確に決断し続けて行かなければなりません。それは教育政策だけでなく、地方自治法や地方公務員法、地方財政法などの基本法令に留まらず、経済政策、土木政策、環境政策、都市政策、自治体間外交、中央省庁交渉、災害危機管理、そして財政運営など市長の責任は尋常ではありません。
 そして、野合勢力は表には出ずに威圧して市議会を裏から抑えているドンも合流して全体として誰も何も言えない重苦しい空気を醸し出しているのです。なるほど、職員が市民の遺体を撮影してLINEで共有したという驚愕な事実を矮小化した処分について、市議会は誰も何も言わないはずです。
 市役所と市議会が野合をして市民に本当の情報を出さずに隠蔽する。そんな市役所に税を納めるのは嫌ですし、そんな市役所が個人情報を握っていることは恐怖でしかありません。そしてその野合に担がれるということは、情報隠蔽の一味となるということとイコールです。ドロンボー一味になるのとは訳が違います。
 そんな状態で藤川元市議は独自の戦いを進めようとしています。因果応報といえばその通りなのですが、本来であれば市民を裏切って野合してギリギリまで隠して特別職を出馬させようとしている野合勢力が因なのですが。
 湖南市選挙秋の陣は、隠蔽体質を全開にして市民に何も知らせないまま、藤川元市議を潰してさらに支配体制を万全にしようとする野合勢力の姿が恐山の地蔵菩薩のお陰で見えるようになり、俄然面白くなってきました(面白くない)。

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