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湖南市選挙解説・秋の陣(その7)構図固まる

 突然の出馬決意の前から決まっていた日程は粛々とこなして行かなければなりません。今朝は、『首長マガジン』の取材で大阪・四条畷へ向かいました。

 自宅を8時30分過ぎに出て、国道1号、名神高速、京滋バイパス、第二京阪道路を経て、JR忍ヶ丘駅前のビルにある東修平四条畷市長のオフィスを訪れたのでした。

 10時にドアをノックすると満面の笑みで出迎えてくれた東市長は「こんなお忙しいときにこんなところまでお越しいただいて大丈夫だったんですか」と恐縮してくれました。

東修平四条畷市長

 「辞められて4年、よく戻られる決断をされましたね。私なら絶対に戻りませんよ」と笑われたので、急にフラッシュバックしてきました。

 「いや、出馬会見をした7日の夜中、6回にわたって思いきり嘔吐して、胃の内容物をすべて吐瀉しました。身体があの立て直しが大変な市役所に戻ることを拒否していたんでしょうか。ここ2日ほど不眠が続いているし」と力弱く笑い返しました。あのダメージからはまだ回復できていません。

 35歳の東市長は現在2期目ですが市長退任を予定し、その後継選挙への立候補予定者を全国公募しているのです。これはものすごく興味深い取り組みです。

 立候補予定者の公募なので公職選挙法の対象外ですが、公職選挙法に抵触しないようにしなければならないため、随所に仕掛けがしてあります。

 極めて柔軟な設計がされていましたが、これから後継者がなくて辞めるに辞められない首長のみなさんにとっては、ひとつのロールモデルになります。

 そこで、『首長マガジン』としては、そのねらいや運用上の着目点などについて根掘り葉掘り問い質し、全国の首長が同様の状況に陥った場合の転用性を訊き出しました。

 ニュースを聞いて急に日程が組まれた取材だったため、出馬表明後ではありましたが、雑誌の目玉の一つになることから、取材を強行したものでした。

 取材後、来た道を逆に戻り、湖南市に戻ったのは12時過ぎでした。取材中もその後もいろいろな情報が入ってきますが、衝撃的だったのは生田邦夫湖南市長です。

 9時30分から湖南市役所で臨時記者会見を開いた生田市長は、「湖南市長選への出馬を決意されました前教育長の松浦加代子氏にバトンを託します」と述べたのです。

生田邦夫湖南市長臨時記者会見

 これは松浦前教育長にとって良くないニュースなのではないか、生田市政で争点になるのは市役所の隠蔽体質や石部図書館廃止強行というところなのにと思いました。

 「バトンを託す」と勝手に言われたのであれば、市民遺体撮影SNS共有事案隠ぺい事件の最終責任が明らかにされないなか、それをそのまま引き継ぐことになるからです。

 しかし、11時から松浦前教育長が自宅において、ひとりで開いた出馬記者会見では「活かします!つなぎます!生田市長の思い」と公約したのでびっくりしました。

 昨日は藤川みゆき立候補予定者がSNS投稿で、松浦教育長時代の重大いじめ事案報告書が半年間公表されていなかった記事をシェアしていました。隠蔽ということなのでしょう。

 松浦立候補予定者は、生田市政をバトンタッチすることで、隠蔽体質というマイナス面も引き継ぐだけでなく、石部図書館についても身動きが取れなくなります。

 石部図書館については、廃止方針を立ててタウンミーティングをしたところ、市民の猛反対に遭い、議会が腰砕けとなり、方針撤回に追い込まれていました。

 石部図書館廃止方針は生田市長の意向でしょうが、所管は教育委員会で教育長の同意がなければ方針化できるものではありません。そこをどう整合化するのでしょうか。

 そう思っていたら、記者会見では決定過程で市民と対話してこなかったので白紙に戻すと述べたそうです。タウンミーティングしたのを忘れたのでしょうか。

 隠蔽体質と虚偽説明。そうしたマイナスイメージは本来なら選挙前に払拭しておくべきですが、まともに引き継ぐと宣言しました。誰か注意しなかったのでしょうか。

 また、出馬の決意も6日(市制施行20周年記念式典開催の日)ということでしたが、前日の5日に議員8人と1時間協議したことはそれに影響しなかったとしたそうです。

 私の認識を書き換えなければならないかもしれない衝撃発言です。ステルス「チェンジこなん」は存在するのか存在しないのか、哲学的な領域に入ってきました。

 恐らく教育長としての議会答弁を通じて市議会議員を軽く見ていたのでしょうが、これでは野合でまとまってもらうべき市議のみなさんの顔に泥を塗ってしまっています。

 奥村展三氏の働きかけが決定的なので市議の影響はないと正直に話したのでしょうが、それでは奥村氏の影響は、と聞かれるとモゴモゴ口ごもっていたそうです。

 「酒を飲んだ席で」などと飛び出したりして、最後には奥村氏の要請はなかったとしたようですが、結局、市議たちはまるで子どもの使いのような扱いにされてしまっています。

 地域の人は奥村氏が後ろにいて市議がいるから教育長が出てくると噂していたのですが、それを裏切って孤立無援であるかのような印象を残してしまいました。

 それなのに、藤川立候補予定者に加えて市長経験者の私が手を挙げているところに、いったい誰の影響を受けて、教育現場を放り出して挑戦しようとしたのでしょうか。闇の力を感じます。

 出馬する「大義」がどこにもありません。そういえばヤフコメで「大義」や「漫遊」にわざわざ触れているアンチコメ主がいますが、私の投稿のよほど熱心な読者ですね。

 目立つことのない湖南市長選挙で、私の投稿にしかない情報をわざわざ利用しているというのでは、情報を集めたり分析したり活用したりする能力もないのかなと思います。

 そして、公約は「市民笑顔率世界一!!」だそうですが、「笑顔率」ということは「今月の市民の笑顔率は先月より2.3ポイント下がりました」と言うのでしょうか。

 心の中で笑えない市民もいるので笑顔になるようにという趣旨のようですが、率で示せば「みなさん、笑顔率を上げるため、もっと笑顔になりましょう」となってしまいます。

 あとは「活かします!つなぎます!生田市長の思い」「加えます!松浦の発達支援・教育を培った力」「創ります!笑顔あふれる湖南市」とスローガンしていました。

 発達支援システムはものすごく財政負担が大きかったため、財政運営に苦労しながら他の幅広い施策とのバランスを慎重に取りつつ維持充実してきたものです。

 担当は配分された予算と権限の枠内で努力をするものですが、発達支援関係だけが教育委員会の仕事ではありませんし、市役所の仕事でもないところに注意が必要となります。

 市長の仕事は内部管理から福祉や教育のように人に関するもの、都市計画やインフラ整備、産業振興、さらには脱炭素や多文化共生、デジタル化など幅広く、危機管理もあり、マルチタスクで即時対応が求められます。単一イシューではありません。

 連合議員団を称する労働者を代表しているのかわからない議員が、またぞろ連合推薦を振り回そうとしているようですが、今回はその中核となる滋賀県教職員組合は隠蔽や虚偽を否定できない大人を推薦するという姿勢を、教え子にどのように伝えようとするのでしょうか。

 藤川みゆき立候補予定者は、今日の夕方、湖南市岩根の平和堂甲西店前で、オレンジ色のジャンパーを着て本人タスキをかけて、行き交う車に手を振っていました。

手を振る藤川みゆき元市議

 構図は3人の戦いとなりました。為書が順次届き始めました。

届き始めた為書

(水面下で行われている見えにくい選挙戦です。みなさん、もしお持ちの情報があればお寄せください。)

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