友達にめちゃくちゃ気を遣われるフリーランスの巻
知り合ったばかりの人に必ず「時間の融通がきいていいね」と言われるのがフリーランスで、コロナウイルスの感染拡大防止のために非常事態宣言が出たときには「あの…仕事…順調?」と聞かれるのもまたフリーランスである。
まあ仕方ない。フリーランスが周りにいる人ってそこまで多くない。保育園のママ友だって、ほとんどが企業勤めだ。フリーランスがどんな生活をしてどのくらいなせぎがあるのか、全く想像もつかないだろう。
時間の融通が効く=サボり放題(とまでは思われてないかもだけど被害妄想)と言われたときは
「納期が重なると地獄」
「アポ入れだけで終わる日もザラで、そんな日は当然無給で虚しい」
「子どもが熱を出しても有給もない」
など、モリモリに盛って余裕のなさを無理やりアピールしていた。
しかし、今回のように心配されている場合はちょっと様子が違う。金に余裕があるといえば嘘になるが、楽天お買い物マラソンにかこつけてエアウィーヴのちょっといい枕を衝動買いするくらいのゆとりはある。
そもそも、私の仕事は取材対象に話さえ聞ければよいので、なにも直に会う必要はない。3月末から各社オンラインビデオ会議を取り入れていたこともあり、ZOOMで取材したいと申し出もあっさり受け入れてもらえた。ビデオ会議は音声がとか安全性がとか言われているが、今のところ問題なく使えているし、デメリットがあるとすれば名刺交換できないことくらいか。
取材ジャンルは主に消費トレンド、自粛ムードで新商品も新施設もあったものではないが、コロナへの対応を聞いていくだけでも新しい発見はある。
ということで、実はあんまり仕事に困っていない。しかし面と向かって(またはオブラートに包んで)聞かれた際に「あんまり困ってないよ!全然仕事に支障はなくて!」と答えるのも、なんだか無理をしているようで(被害妄想)却って悲壮感漂う気がする。
つまるところ、仕事、ひいては金銭面には困っていないが、この手の質問にはどう答えるべきか、困っている。
ということで、とりあえず。
「とりあえず、今のところ仕事には困っていない。ただ、この先はどうなるのか分からない」と玉虫色の回答をすることにした。
で、答えながら、そもそもこれはコロナにまつわるあれこれに限らない話だと思った。リニューアルなどで媒体が突然なくなるかもしれないし(実際あった)、産休育休のタイミングで仕事に戻るタイミングを見失いかもしれない(これも実際にあった)。
しかし、私にとっては、このピンチの時こそが大きなチャンスでもあった。メインの取引先である某媒体がなくなりそうなときに、長年眠らせていたTwitterを更新し始めた。仕事歴を発信しているうちに、別の媒体から声がかかるようになった。
産休育休を得て、それまで働いていた会社に戻れなくなったときは、思い切って出版社で派遣で働くことにした。そして、それをきっかけにライターとして独立することになった。
「ピンチをチャンスにするための10のメソッド」は特にない
もしこの辺が体系的にまとめられるのであれば、にじいろジーンあたりの女社長の細腕繁盛記みたいのに出て話してみたいが、一個も思いつかない。ただ、手詰まりになりそうなときに直感で動くとだいたい当たる人間だとは信じている。
この先はどうなるかわからない。でも、たぶんなんとかできる。特に妊娠、出産経験者であれば、1から10までキャリアが順調だった人なんてほとんどいないのではないか。だから、今が不安な人にも、できれば「あのときのように、なんとかなる」。そう思っていてほしい。
友達にもそこまで説明できたらいいんだけど、なんだかやたらエモい展開になりそうなので、「まあそんなこと言っても、これから教育費も鬼のようにかかるしね!」と銭ゲバ路線に逃げてしまう私なのであった。
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