LPGと都市ガス
地方の過疎化で、LPG事業者の経営が厳しいという。ガスボンベの充てん、配送、回収の繰り返しで、ガスボンベの使用量はデジタルに管理できておらず、このサイクルは一見非効率だし、工夫の余地も限界があるように思う。
ガスは人間生活に不可欠なものであり、国民が住んでいる限り、何かしらの方法で届けられなければならない。中央集権的に、大規模ガス製造拠点から、ガス導管を地下に張り巡らせ、各家庭、マンションまで届けられれば、ガス計量器で、使用実態もリアルタイムに把握できるし、データも蓄積され、ITの出番はたくさんある。
しかし、では日本のガスインフラを都市ガスに切り替えてしまえばよいかというと、都市ガス導入には、地下導管の敷設が必要であり、莫大な初期投資がかかる。かつ、導管敷設にあたっての建設費用は、多くが使用者である住民負担である。よって、ガスボンベの残量がわからなくても、回収・交換を、人力で続けなければならない一見非効率といえる、LPG産業が存続しているのである。これは、市場の経済行動が機能していることとも言える。
LPG販売業者数は、全国で18,000とのこと。減少してきているとはいえ、その数は、存在意義を物語っている。