将来のゴールは同じ

児童発達支援事業を始める理由を書いたところ、多くの方々から共感の言葉やメールをいただき、大変うれしく思っています。ありがとうございます。

本来は2022年4月に新しい場所でと計画していましたので、予定を早められるかどうかは自治体の意向やこちらの準備計画もあり、まだ分かりませんが変化に対してスピードが必要な時代であり、また、区内でも現在困っている子も少なくないだろうと考えることから秋開設を目標に少しずつ動き始めています。

正直なところ、私は社会の「セーフティネット」という役割については公的機関や社会福祉法人、優秀なNPOの方々がいらっしゃるので、その役割を自分が担おうとは思っていません。

そもそも、幼児教育とは発達支援そのものです。目の前にいる子に、“この子にとって適切な環境とは何だろう”と考えることが大切であり、それが同じ環境で成立するのであればそれでよいし、少し違う環境が必要であれば、そのような環境を用意すべきだと思います。

マリア・モンテッソーリが、机の下でパンのくずを集める問題のある姿を見て、これは環境が不足している!と幼児教育の世界へ傾倒していった有名な話も、彼女が周囲の「環境」に注目したからです。

時代は変わり、子どもには物的環境は恵まれていますが、発達がゆっくりの子や周りと少し違う子には、多すぎる遊び道具が刺激になったり、切り替えが多すぎるカリキュラムの存在や長すぎる集団保育の時間が負担になったりもします。

現代社会で生きていく以上、それについていく支援が必要ですが、毎日その環境にいることより、もう一つぐらい居場所があってマイペースを保ってもらいたいと考えるのは、発達に困難があってもなくても、すべての児童に対して思うことです。

近所で子育てをし合う環境がなくなり、また兄弟や親戚も少ない時代にどのように子どもの居場所をつくっていくか。

目指すゴールは同じです。「世界のどこでも、自分らしく、力強く」。子どもにとって自分が尊重され、自分らしさを発揮できる環境で柔軟に行き来ができるように。

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