【御礼】2022ひとり芝居 人間生活図鑑 新作ツアー
改めまして、長谷川恒希のひとり芝居人間生活図鑑新作ツアー2022、
釧路・札幌公演無事終演致しました!
ご来場のお客様、そしてご協力くださったすべての皆様に厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました!
自身初の札幌公演も、多くの方に支えられ、どのステージもひとつとして同じもののない、刺激的な4ステージでした。
今回の公演を一番近くで支えてくださったのも、釧路のクリエイティブ集団大人×2(おとなのじじょう)のみなさま!
本当にありがとうございました!
大人×2の皆さんは、来年初旬(?)に釧路での公演を予定しています!釧路の皆様、どうぞお楽しみに!
【演目紹介】
新作ツアーということで、全3演目の新作でお届けしました。
1本目の
「新入社員合宿研修」
1泊3日、山奥の研修施設でみっちりと社会人としてのイロハを叩きこまれる内定直後の新入社員、杉元智也くん。(23)歳。
オドオドした彼が沢山の研修訓練をこなしていき、同じ班の皆との関わりの中から最後には立派に成長し、あっと驚く(?)エンディングを迎えます。
自分なりになにかに立ち向かってみることにした、素直な青年の物語です。裏話をしてしまうと、稽古終盤で台本がひっくり返り、最後の最後まで演出と話し合いを重ねて作った演目です。問題児だったが故に、個人的にとても愛着の湧くキャラクターになりました。
2本目
「フィリピンパブにて」
都内のフィリピンパブにて、最愛のフィリピン彼女「トリーシャ」の誕生日が行われています。そんな彼女にお花を持ってお店にやってきた斉藤茂義。(53)歳。
お祝いの気持ちはお金じゃなく、一緒にいるこの時間。そして目一杯奮発したプレゼント。そんな思いは、フィリピンから出稼ぎにきたトリーシャに届いたのでしょうか。
飲み屋あるあるをふんだんに盛り込んでみました。飲食業界のお客様がとっても共感してくださいました。
「女の子に夢中になって執着してしまう」、そんな生き方は、ちょっとしんどそうでもあり、幸せそうでもあり、いや、、、う~ん、やっぱりちょっと羨ましくなってみたりもして・・
3本目
「ヤクルトレディ」
息子を大学に上げるために今日も一日元気いっぱいヤクルト販売に精を出す鶴見セツさん(88)歳。
この演目は、釧路で実際に起こった出来事を基に作った演目でした。
この演目は、認知症のおばあちゃんの演目。
釧路のとある介護施設にいらっしゃったおばあちゃんがモデルです。
その方は、認知症、そして、歩行能力や会話の能力もほとんど失われ、リハビリ訓練も難しく、職員さん曰く、どう一緒に過ごしたらいいのか難しいおばあちゃんだったと言います。
そんなある日、リハビリ担当の職員さんが、このおばあちゃんと一緒に窓を眺めていると、このおばあちゃんが朧気ながら「ヤクルト。。」とこぼしたらしいのです。
今まで発語らしい発語がなかったため、驚いた職員さんが翌日そのおばあちゃんにヤクルトを見せてみたところ、
急に目を輝かせながら「おお~懐かしい!おれ、昔ヤクルト売ってたんだぁ」と、今までからは考えられない程しっかりと話されたとのこと。このおばあちゃん、昔、ヤクルトレディとして活躍していたことが発覚したのです。
これにびっくりした職員さんは、「これはチャンスかもしれない!生きる希望を見出してもらえるのではないか?」と、動き始めます。
まずこの職員さんは、手造りのヤクルト販売ボックスを加工し、そこにまた手作りのヤクルト(ボンドやポスカなど、塗料を混ぜ本物そっくりに加工!)を詰め、ヤクルト販売セットを作ります。
これを渡すと、おばあちゃんは目を輝かせました。
ですが、ここで問題になったのは、どうやってこのおばあちゃんにヤクルトを売ってもらうのか。
ここで職員さんは悩みに悩み、こんなアイディアを思いついたそうです。
”自分が全然売れないダメダメなヤクルト販売員になり切り、先輩ヤクルト販売員であるおばあちゃんに教えを乞おう!”
「おばあちゃん、僕、最近ヤクルト販売を始めたばかりなんだけど全然売れなくて困ってるんだ。助けて欲しい。」
その言葉がおばあちゃんを動かしました。
「よし、おれが助けてやる。」
おばあちゃんはこの日から施設内でヤクルトレディとしてヤクルトを売り歩くことになりました。
ヤクルトを買ってくれるお客さんは、施設の職員さん達。
この一連の流れを見ていた他の職員さん達、最初は訝しげに思っていたものの、この活動に共感してくれ、「どこどこに住んでた、なになにだよ!」「どこどこでお世話になっていた、なになにだよ!」と、その場の会話の中からアドリブでお客さん役を演じてくれていたそうです。(舞台の上よりよっぽど役者さんですよね!笑)
そんな日々の中で、おばあちゃんは嘘のように歩行能力が回復し、まったくままならかった会話も、ついにはお客さんに一本でも多くヤクルトを買ってもらうために家族構成を聞き出したり、お世辞を言い始めるなど、セールストークも繰り出し始めるようになったそうです。
細かなエピソードや、最終的にこのヤクルト販売物語はどこに向かっていったのか、どこかでこのお話を僕に伝えてくださった職員さんと喋る機会があれば、音源にしてお届けしたいと思っています。
この話は、「人間は、おもしろいものである」ということを伝える事がテーマの長谷川恒希のひとり芝居にとって、とても興味深いお話だと思い、釧路でご活躍されている桂さんという作業療法士の(上記の)職員さんに実際に会ってお話を聞かせて頂きました。
実際にこのおばあちゃんに会えたわけではありませんし、あくまでひとり芝居というフィクションの中での作品になるので、全くすべてが実話通りと言うわけにはいきません、ですが、なるべくこのお話の中に潜んでいるエッセンスは掬い上げて作ってみたかったのです。
認知症になっても、なにも終わりじゃない。
認知症になったくらいで、ひとの個性は消えない。
そんなことを強く感じました。
認知症だろうとそうじゃなかろうと、なにかを抱えながら生きていかないといけないのは人間皆同じで、周りに認知症の方がいらっしゃる皆さんに、是非この話を思い出して欲しいです。僕のおばあちゃんやおじいちゃんも、こんな職員さんたちに出会えていたら、違う晩年だったのだろうか、そんなことも考えました。
桂さん、素敵なお話を本当にありがとうございました!
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【スペシャルサンクスなみなさま】
「HAIR ART SHOP HIPPIE.」さま
【株式会社Macha Corporation】さま
【多田ヒカリ】さん
もっともっと沢山力を貸してくださった方がたくさんいますが、またの機会にご紹介させてください!
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初の札幌公演も、沢山のご協力に支えられ、とても刺激的な2ステージになりました。
今公演は、素敵な劇場との出会いの場でもありました!また来年、絶対に札幌でやりたいです。札幌の皆様との出会いも楽しみにしています!
来年の長谷川恒希のひとり芝居も、既に水面下で打合せが進んでいます。
いままでにないあんな形での公演も・・?!
そして来年はどんなキャラクター達に出会えるのでしょうか?!
僕自身も、とても楽しみです。
改めて、長谷川恒希のひとり芝居人間生活図鑑新作ツアー2022,
釧路の皆様、札幌の皆様、本当に本当にありがとうございました。
また来年お会いできるのを心から楽しみにしています。
【EDムービー】
作成:奥空光里(大人×2)
【クレジット】
企画・制作・主催:長谷川恒希のひとり芝居実行委員会
作・演出:長谷川恒希・関根大
出演:長谷川恒希
舞台監督・演技指導:多田光里(大人×2)
音響・照明:川村修司(株式会社Macha Corporation)
協力:クリエイティブ集団大人×2(おとなのじじょう)
ウィッグデザイン・制作:片平あつみ(大人×2)
舞台メイク:一戸祐介・一戸拓斗(HAIR art shop HIPPIE.)
スチール撮影:北川剛(フルマークス)
フライヤー・チケットデザイン:濱野販促企画
楽曲制作:ギロ。(Poppin’LALA★StarsのP)
スペシャルサンクス:桂裕二・柿崎琢哉 and more・・
チケット販売:
(釧路)コーチャンフォー釧路店
(札幌)コーチャンフォーミュンヘン大橋店・新川通店・美しが丘店
販売グッズデザイン:てんぐアート
グッズ制作:石川特殊印刷
フライヤー掲載:居酒屋藤 居酒屋くし炉あぶり家 医療法人社団あさひ会みのるの家 Watch&Jewelry大谷(大谷時計店) cafe&bar cuba 釜吉 かーくる(廃車王釧路店) 釧路厳島神社 くしろフィス ゲストハウス灯 光徳山誠行寺 古書かわしま 駒形家 サンライフくしろ スナック来夢 すみ友館ビル たこ焼きバーうツボ2条店 ちくぜん はたご家 百萬里武佐店 Flamingo(すすきの) HAIR art shop HIPPIE. 麺屋武双 フィッシャーマンズワーフMOO モンクール 焼き鳥酒場どんく南3条店 ランチマーケット ラーメンゆきかげ大喜湯昭和店 ルームベーカリー 笑いの館
Webサイト掲載:くしろCOTO 札幌観光情報ようこそさっぽろ d-SAP札幌演劇
*敬称略 50音順
本公演は文化庁補助事業ARTS for the future!2の対象事業です