見出し画像

SiX powered by Plug and Play Japan MARCH Edition Startup紹介


こんにちは。Plug and Play VenturesのKoheiです。

今回は、3月末に無観客イベントの形式で実施した、弊社のピッチイベント「SiX」にご登壇頂いたスタートアップの方々のご紹介をさせて頂きたいと思います。(弊社山本によるイベントレポートはこちら)

今回のテーマは「Passion Tech」です。
何らかの社会構造の歪みや制約条件などによって苦境に立たされていたり、自己実現を成し得ていない…しかし、大きな夢を抱き、熱意に満ち溢れている、そんな人々をサポートする多種多様なスタートアップの皆様にご登壇いただきました。


それでは、 スタートアップ各社の紹介を始めさせて頂きます。

1.Crono若年層向け資金調達・奨学金プラットフォーム

スクリーンショット 2020-04-17 21.26.57

1社目は若年層向け資金調達・奨学金プラットフォーム のCronoです。
将来への可能性に満ち溢れた高校生・大学生。留学して自分の世界を広げたい、寝食を忘れて好きなことに熱中したいなど、エネルギーを持て余している時期ですよね。しかし、世の中は皮肉なもので、往々にして若さ・チャレンジ精神と金銭的豊かさは反比例してしまう傾向にあるのではないでしょうか。実際、日本社会における若者を支援するための奨学金制度は、給付・貸与条件の厳しさや歪み、その結果生じる受給希望者に対するカバー率の低さ、金額の不十分さ、そして何より相次ぐ卒業後の滞納・自己破産など、多くの問題を抱えていると言えます。金融機関の立場から見ても低・無収入の若年層への貸与はハイリスクで着手し難いというのが実情です。
そこで、Cronoの奨学金プラットフォームの登場です。将来スポンサー企業に入社することを条件に、奨学生は奨学金の返済を企業に肩代わりしてもらうことが可能になります。企業側から見ても、採用の競争力が上がり、優秀な人材を早期に獲得出来るというメリットがあります。
当面はエンジニアなど一部の職種に限定して運用予定ですが、将来はより幅広い学生へ裾野を広げていく予定とのことです。かつ、奨学金情報の一元化などへも着手しており、将来は奨学金に纏わる諸問題を解決するプラットフォーマーとして多くの若者に希望を抱かせてくれることを期待しています。


2.dreamstock世界中のアマチュア選手、プロサッカー選手たちが世界に

スクリーンショット 2020-04-17 21.31.35

2社目は世界中のアマチュア選手、プロサッカー選手たちが世界にアピールできるプラットフォームを提供するdreamstockです。
サッカーと言えばスポーツの花形で、プロサッカー選手は世界中の子供にとっての憧れの的ですね。しかし、プロの世界に入るためには、圧倒的な才能・実力を持った上でスカウトの目に止まらなくてはなりません。地域など、育った環境によって機会が著しく制限されてしまう分野で会ったと言えるでしょう。
dreamstockはサッカー版のLinkedInのようなサービスで、発展途上国を含めたスマホ保有率が60%を超えた今、スマホアプリで誰もが平等にプロサッカー選手を目指すことが出来る世界を構築しようとしています。プロ志望のユーザーは、スマホで動画を公開するだけで、世界中のプロチームやスカウトから声がかかるチャンスを手に入れることができます。19年12月時点ですでにサッカーのメッカである南米を中心に13万人以上の選手が登録し、30以上のプロチームが実際に使用しています。


3.TRiCERA(トライセラ) :日本を中心としたアジアのアーティストの現代アート作品を海外に売り出すプラットフォーム

スクリーンショット 2020-04-17 21.27.27


続いて、日本を中心としたアジアのアーティストの現代アート作品を海外に売り出す越境ECプラットフォームのTRiCERAをご紹介します。
世界のアート市場規模約7.5兆円規模に対し、GDP世界3位の日本のアート市場規模はたったの約3000億円です。ただでさえアーティストとして生計を立ててゆくのは非常にチャレンジングなことだと想像がつきますが、日本に生まれ、国内販売のみで勝負するとなれば、尚更のことでしょう。海外で作品を販売し有名になろうと思っても、伝統的な販路であるギャラリーを通じて海外に販売できるのは、100名程度の一握りのトップアーティストに限られており、残る4万人のアーティストにそのチャンスは与えられていません。また、アーティストはスタートアップでいうとCEOのようなビジョナリーな人物で、素晴らしい作品を生み出すことに長けていますが、実際のビジネス面においてはCOOのような優れたサポーターが必要であり、そのためにアーティストはギャラリーの支えを必要としているのです。
TRiCERAの越境ECプラットフォームは、アーティストたちに対し、作品のプロモーションや配送までを含んだ一気通貫のサポートを提供することにより、海外販売への活路を開くことを可能にしています。アートのプライマリー市場向け越境ECプラットフォームは北米にSaatchi Art、ヨーロッパにSingulartがすでに存在しますが、TRiCERAはアジアNo.1のポジション確立に向け奮闘しています。


4.リブルー(NobodySurf)世界100ヶ国で楽しまれているサーフィン動画サービス「NobodySurf」

スクリーンショット 2020-04-17 21.28.15


それでは後半に参ります。4社目は、世界100ヶ国で楽しまれているサーフィン動画サービスNododySurfを提供するリブルーをご紹介します。
サーフィンは、熱狂的なファンの小規模なコミュニティが世界中に点在しているという特徴があります。また、インターネット上で動画を探そうとしても、実際に見るまで良し悪しが判断できず、ニッチなジャンルの動画だと再生数も伸びず埋もれてしまう傾向にあります。そのため、動画クリエイターもサーファーも、他の素晴らしい動画を見つけるチャンスが非常に限定されていました。
そのような熱量の高い小規模な世界中のサーファーのコミュニティをインターネットで結びつけているのがNobodySurfです。すでに世界100カ国から33万人のInstagramフォロワー、40万人のFacebookフォロワーを獲得し、世界中のサーファーとクリエイターによって提供された素敵な動画が溢れています。日本発で、ここまで世界中の人々から幅広く、そして深く愛されているサービスは非常に珍しいのではないでしょうか。

5.フィナンシェ夢がみんなの共有財産になるドリームシェアリングサービス

スクリーンショット 2020-04-17 21.28.30

5社目は夢がみんなの共有財産になるドリームシェアリングサービス、フィナンシェです。
世界的に、組織・企業で働くという前提が崩れ、個人が主役として活躍する時代へシフトしていますが、現在はほんの序の口で、この流れはまだまだ加速すると思っています。
フィナンシェは夢を持つ個人がオーナーとして事業やプロジェクトを立ち上げ、その夢を応援するファンと出会い、共同で夢を実現していくファン・エコノミーを構築しようとしているスタートアップです。
オーナーはトークンを発行し、ファンや投資家に販売することが可能です。ファンはトークンを保有者することにより、様々な特典が付与されることはもとより、自身が積極的にオーナーを支援することにより、トークンの価値を向上させることも可能です。クラウドファンディングなど、応援する対価としてサービスを受けられる仕組みは様々存在したものの、ファン自身にも金銭的メリットが発生する仕組みは珍しいですね。夢を共有財産にすることによって、個人とファンの関係性もより強固なものへと変化してゆくのかも知れません。

6.A10 Lab(みんチャレ)Peer to peer サポート型習慣化アプリ「みんチャレ」

最後のスタートアップはPeer to peer サポート型習慣化アプリみんチャレを提供するA10 Labです。
現在、日本人の3人に1人が生活習慣病または予備軍であると聞くと驚tく方もいらっしゃると思います。何らかの生活習慣病に罹ってしまうことは、残念ながら避けがたいことなのかもしれません。その場合、いかに重症化や合併症を避けるか、ということが重要になります。例えば糖尿病患者においては、治療を継続できずに重症化、合併症へと至ってしまう人が44%を占め、大きなボトルネックになっていると考えられます。
みんチャレのアプリは、同じ目標を持つ5人組でチームを作り、お互いに毎日励まし合うことにより行動変容をサポートしています。①証拠写真を送る自己認知、②同じ目標のユーザー同士のピアサポート、③AIによるチャットサポートやコイン獲得などのゲーミフィケーションの3つの仕組みにより多くのユーザーの行動変容を促しています。実際に、新しい習慣を約3週間継続できた人の割合をグループ別に比較したところ、1人で始めた場合は8%にとどまったのに対し、みんチャレを用いた場合は69%と、圧倒的に高い継続率を記録しています。
現在は糖尿病患者向けにフォーカスしているようですが、コロナウイルス予防のための免疫力向上、自粛期間の励まし合いなどにも有効かもしれないですね。


以上で今回の登壇スタートアップ紹介を終えたいと思います。

次回SiXのテーマはEntertainment Techです。4/24(金)にオンラインイベントとして開催しますので、是非ご参加お待ちしております。参加登録はこちら。